どうすればお金をかけずに、売上や利益をもっと増やせるのか? この切実なお悩みに答えるのが、人気の販促コンサルタント・岡本達彦氏の最新刊『客単価アップ大事典「つい買ってしまう」販促の仕掛け75』(ダイヤモンド社刊)です。同書は、「行動経済学×現場目線」で「つい買いたくなる」販促の仕掛けとは何かを言語化した初の書。本書が提示するのは、「お客様の購買行動そのものを変える設計とは?」です。どうすれば、「利益が残る経営」へと変われるのか? 本連載では、『客単価アップ大事典』に収録しきれなかった事例の中から、現場ですぐに導入でき、成果につながりやすい客単価アップの仕掛けを厳選してご紹介していきます。
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「買える数を減らす」はずなのに、
なぜか多く売れてしまう
スーパーの特売コーナーで、卵やティッシュペーパーの棚に「お一人様3点まで」というPOPが貼られているのを見たことはありませんか。
お店側からすれば、購入数を制限すれば、その分お客様一人あたりの購入点数は減るはずです。それなのに、なぜあえて「制限」を設けて、売上を自ら抑えるようなことをするのでしょうか。
実は、この「購入制限」は、在庫を守るための消極的な対策ではありません。
お客様の「自由に買いたい」という気持ちを逆に刺激し、結果的に購入点数そのものを増やしてしまう、非常に逆説的な販促の仕掛けなのです。
「制限される」と、かえって欲しくなる
(心理的リアクタンス)
人は、自分の選択の自由が誰かによって制約されそうになると、その自由を守ろうとして、かえってその対象への欲求を強めてしまう性質を持っています。これは「心理的リアクタンス」と呼ばれる現象です。
「お一人様3点まで」という表示は、お客様に「本来はもっと買える自由があったのに、それが制限されている」という感覚を無意識に抱かせます。制限がなければ「1点でいいか」と思っていたはずのお客様が、「3点まで買えるなら、上限まで買っておこう」という心理に傾きやすくなるのです。
「制限がある=それだけ人気がある」という思い込み
(希少性の連想)
もう一つの理由は、「制限がかかっている」という事実そのものが、お客様に別の情報を伝えてしまう点です。
購入制限があるということは、「多くの人が買い求めている、あるいは入荷数が限られている、価値のある商品なのだろう」という推測を、お客様は無意識に行います。
実際の需給バランスとは関係なく、「制限」という表示そのものが「これは今、手に入れておくべきお得な商品だ」という印象を作り出し、購入への後押しとなっているのです。
他の業種でも使える
「あえて制限する」設計
制限を設けることで、かえって購買意欲を高めるこの手法は、他の業種にも応用できます。
・アパレル店のセール品:
「お一人様2点まで」と表示することで、単なる在庫処分の値引き品ではなく「人気商品」という印象を持たせる
・飲食店の数量限定メニュー:
「お一人様1品限り」と表示することで、追加注文よりも「今日のうちに他のメニューも試したい」という周遊的な注文を誘発する
・通販サイトの初回限定品:
「お一人様1回のご注文につき2個まで」と明記し、転売品ではなく「本当に欲しい人向けの商品」という印象を強める
まとめ
スーパーの特売品に「お一人様3点まで」という購入制限がつけられているのは、単に在庫を守るための消極的な対応ではありません。
・「心理的リアクタンス」により、制限された自由を取り戻そうとする心理が、かえって上限までの購入を後押しし
・「希少性の連想」により、制限があること自体が「人気商品である」という印象をお客様に与えている
という、あえて「買える数」を制限することで、かえってお客様の購買意欲と購入点数の両方を引き上げる、逆説的な販促戦略なのです。
販促コンサルタント
現場目線ですぐ使えるマーケティングを伝える第一人者。
広告制作会社時代に100億円を超える販促展開を見て培った成功体験をベースに、むずかしいマーケティングや心理学を使わず、
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他の著書に、『お客様に聞くだけで「売れない」が「売れる」に変わるたった1つの質問』
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