「老後は時間がたっぷりあるから、好きなことをして過ごせるはず」――そう考えている人は少なくない。しかし、自由な時間が増えたからといって、毎日が自然と楽しくなるわけではない。むしろ、今の休日の過ごし方に、将来「時間を持て余す人」になる予兆が表れていることもある。では、「つまらない老後」が始まりやすい人には、どんな共通点があるのだろうか。『人生は気づかぬうちにすぎるから。「自分第一」で生きるための時間術』の内容をもとに、そのヒントを紹介する。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

「つまらない老後」が始まる予兆・ワースト1Photo: Adobe Stock

時間はあるのに、することがない……

「せっかくの休日なのに、何もしないまま一日が終わってしまった」
そんな経験はないだろうか。

朝からスマホを眺め、気づけば昼。
なんとなく動画を見たり、テレビをつけたりしているうちに、もう夕方になっている。

もちろん、何もせずにゆっくり休む時間も必要だ。
しかし、自由な時間ができるたびに、「何をしよう」と自分から考えるのではなく、目の前に流れてくるものをなんとなく消費して過ごしていると、それがいつしか習慣になってしまう。

これは、老後を考えるうえでも意外と見過ごせない。
「仕事を辞めたら、好きなことをして暮らそう」「老後になれば時間ができるから、そのとき趣味でも見つけよう」そう考える人は多い。

けれど、時間さえ増えれば、毎日が自然と楽しくなるわけではない。
自由時間を楽しむことにも、ある意味では「習慣」が必要だからだ。

今まで自分から楽しみを見つけてこなかった人が、仕事を辞めて突然たくさんの自由時間を手にしても、「何をしたらいいかわからない」と持て余してしまう可能性がある。

反対に、ほんの少しでもいいから、興味のあることを試したり、夢中になれるものを見つけたりする習慣があれば、自由な時間は「退屈な時間」ではなく「楽しみな時間」に変わっていく。

まずは、さまざまな趣味を試してみる

そのヒントになるのが、次のような考え方だ。

 おばあちゃんっぽい趣味には、次のようにたくさんのものがある。まずはこのなかから、1つを選んでみよう。
 キルティング、バードウォッチング、パズル、キャンドルづくり、フラワーアート、料理、書道、編み物、写真、木工、陶芸、絵画、ガーデニング、ボードゲームやカードゲーム、麻雀、スクラップブックづくり、裁縫、読書、日記、パンづくり、かぎ針編み(ニードルポイント)、手芸、絵画。
(~中略~)

 次に、始めるための計画を立てよう。おばあちゃんっぽい趣味には、指導者も、その趣味を楽しんでいる人も大勢いる。ユーチューブには、独学に役立つ無料の動画がたくさんある。初心者向けのものが多いので、安心して視聴できる。その趣味に関する用品店に行ってみてもいいだろう。こうした店ではさまざまな催しが行われていることも多いし、初心者が揃えるべき道具一式について丁寧に説明してくれたりもする。
 できる人は限られるかもしれないが、時間的な余裕のある人は、次のように月替わりでさまざまな趣味を楽しんでもいいかもしれない。
・1月:陶芸
・2月:キャンドルづくり
・3月:かぎ針編み
 ……などなど

――『人生は気づかぬうちにすぎるから。「自分第一」で生きるための時間術』より

大切なのは、老後になってから「何か楽しいことを探そう」とするのではなく、今のうちから、自分で自由時間を楽しむ習慣をつくっておくことだ。

最初から「一生続けられる趣味」を見つける必要はない。
少し気になったものを試してみる。合わなければやめて、また別のものをやってみる。その繰り返しで十分だ。

自由な時間をなんとなく受け身で過ごすのではなく、自分から「今日はこれをやってみよう」と動く。
その小さな習慣があれば、時間に余裕ができたときにも、自分で毎日の楽しみをつくることができる。

老後の時間は、ある日突然、充実したものになるわけではない。
これから先の毎日を楽しく過ごすためにも、まずは今度の休日、少しでも気になっていたことを一つ試してみてはいかがだろうか。