
シマケン、再び
「きっと解決にはならない。けど、ほんの小さなことだとしても、いまやれることをやる」。直美は毅然と言って去っていく。
「いまやれることをやる」はりんの得意技だ。直美とりん、バディの息はすっかり合っている。
「いまやれることをやる」は今週のサブタイトル「歩々清風」の真髄だろう、一歩一歩歩くたびに爽やかな清風が起こるという意味のある「歩々清風」。立ち止まらず、逆行せず、一歩前へ。たったひとりでも、救えば、次に続くかもしれない。
「社会」とは人間、ひとりひとりによって構成されている。「社会」全体を変えることはすぐにできなくても、ひとりひとりにアプローチしていくことで、いつか全体が変わっていく。
だからこそ、いま目の前にいるたったひとりの人に手を差し伸べることは、無意味なことでは決してない。
セツは結局、恵風看護婦会で働くことになった。清潔で明るい陽光が差し込む事務所は薄暗い路地の奥にある親和看護婦会とはえらい違いだ。奥の部屋で寝起きもできると聞いて目を輝かせるセツ。事務所の掃除、字の練習など、初歩的なことをはじめる。
セツの人生に、かすかに清風が吹いてきた。いい話になってきたが、シマケンはまだ?
場面変わって、チュウ(若林時英)の店。環(瀧七海)は客の似顔絵を書いている。環は絵がとても上手。以前、「奥様」を描いていて、チュウに「奥様になるのが夢?」と聞かれたが、「うーん、どうなんだろう?」と彼女は自分の将来がまだわからない。もしかして絵の道に進みたいのかも。
そこへシマケンが甥っ子・文史朗(蒼井旬)を連れてやって来た。文史朗役の蒼井旬――蒼井優と小栗旬を足したような名前だ――。東京に戻ってきたという。
やっと出てきたシマケン。環は血相を変えて彼をりんの元に連れていく。
シマケンとりん、元サヤに収まるのか。それは来週以降の楽しみとして、ひとつ気になったことがある。田の上屋で働く若い女性が第113回から登場している。この女性は働いていて、環は女学校通い。年齢はわからないがふたりとも若い女性。環はりんのおかげでモラトリアム期間に恵まれ、店員は働いている。これもある意味格差社会である。お店のなかにも社会の縮図がある。








