Aさんの例でいえば、上司の意見に対して「僕はこう感じた」「僕はこういう意見をもっている」と、一人称で考えてみることが大切です。そのうえで、「目的は理解できたのですが、プロセスをもう少し細かくご説明いただけませんか」「いくつか疑問点があるので伺ってもよろしいですか」と説明をお願いする。あるいは、「そういう目的があるなら、この案のほうが取り組みやすいと思うのですがいかがでしょう」と提案をしてもよいでしょう。
自分が嫌だと感じた気持ちを、自分で裏切ってしまうと、「意志・感情の境界」は混乱する一方です。気持ちを押し殺してうなずくのではなく、相手を怒らせないいい方で「対話」に変えていきましょう。
CASE(2)「感情・意志の境界」の混乱
ワンマンな会社のトップについていけない
会社のトップや幹部クラスの人が高圧的だと、その人自体を変えるのはとても難しいですよね。そういう人は人間関係よりも権力や肩書きといったパワーを重視する傾向にあるため、情に訴えても勝ち目はありません。かといって、数の力を借りてパワーで対抗しようとすると、小さな職場ではよけいに悪い感情が残ったり、対立関係が生まれて居心地が悪くなったりすることもあります。
そんなときは、「その人に対する評価を変える」ことが大切です。「B部長はいつも威圧的だから苦手だな」と思っているなら、「あんなふうに偉そうにしているけど、裸の王様なのよ。かわいそうな人ね」「B部長は力しか使えない人なんだな。今はこういう地位にいるから力を使えるけど、地位がなくなったらどうなっちゃうのだろう」という具合です。
僕はこれを、「あきらめる」というライフスキルだと考えています。あきらめるという言葉にはネガティブな意味合いもありますが、「明らかに見る(する)」が「あきらめる」になったともいわれています。
バウンダリーの観点でいえば、評価を変える=あきらめるのは、自分を守るために解釈を変更するということ。ぜひとも活用してみてください。







