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現在は家族と暮らしていても、長い人生のなかで、いつか一人で生活する可能性は誰にでもある。老後のひとり暮らしと聞くと、「寂しい」「何かあったときに心配」といったイメージを持つ人もいるだろう。しかし、一人で暮らすことは、本当に「孤独」で不安な老後を意味するのだろうか。50年間、医師として多くの患者と向き合ってきた鎌田 實氏の言葉から孤独について考える。※本稿は、医師の鎌田 實『身辺整理』(明日香出版社)の一部を抜粋・編集したものです。
自分の人生を最後まで
自分で生きるために必要なこと
人は、最後はひとりになります。
家族がいないひとりの人は、すでにその現実の中で生きています。
いま家族がいても、それは変わりません。
夫婦で暮らしていても、いずれはどちらかが先にいなくなるのです。
子どもがいても、ずっとそばにいてくれるとは限りません。
老いとは、だれもが少しずつ「ひとりになる現実」と向き合っていくことでもあります。
だからこそ、元気なうちに身辺整理をしておいたほうがいいのです。
モノ、お金、人間関係、これからの暮らし方。
「ひとりになっても困らないように」整えておくことは、弱気な準備ではありません。
最後まで、自分の人生を自分で生きるための準備です。
僕は、いま夫婦ふたりで生活しています。
ふたりの子どもたちはそれぞれ結婚し、家を出ています。
いまは夫婦いっしょに暮らしていても、いずれはどちらかがひとりになる。その現実を前提にして生きることは、とても大事なことです。
僕は50年間、医師として患者さんと関わってきましたが、ひとり暮らしの患者さんの姿を見て、「なるほど、その通りだな」と思うことが何度もありました。
例えば、要介護1くらいになったとき、「パートナーに迷惑をかけてはいけない」「負担をかけすぎてはいけない」と考え、本当は施設に行きたくないのに、配偶者が疲れすぎないようにと、施設入所を選ぶ人は、日本では少なくありません。
一方で、ひとり暮らしで要介護2になっても、「私は家にいたい」という思いを貫いている高齢者が、じつはたくさんいます。
ひとり暮らしを心配しすぎ!?
ポジティブな視点が必要
各種の調査を見ても、「ひとり暮らしは自由で、自分で決定できている」という声は多いようです。
いまひとり暮らしの人は、あまり心配しすぎなくていいと思います。
ひとり暮らしをポジティブにとらえ、自分の人生を自分が主体となって、より楽しく、より面白く生きることが大事です。
ただし、ひとり暮らしの人ほど、最後まで自分の人生を生き切るためには、身辺整理が大事だということを忘れないでください。
2024年の調査によると、単身世帯(32.7%)が夫婦のみ世帯(31.8%)を超えました。単身世帯が世帯の形の中でいちばん多い時代になったのです。
単身世帯で多いのは高齢者で、64%が女性、36%が男性です。女性のほうが長生きなので、夫婦であっても、最後に女性が残される例が多いためです。







