「ファミレス」とはファミリーレストランの略ですが、評論家で現在94歳の樋口恵子さんは、家族(ファミリー)の少ない(レス)社会を「ファミレス社会」と呼びました。
現代は、だれでも人生の終盤に「ファミレス」になる可能性が高いということです。だからこそ、元気なうちからひとりで生きることに備えておかなければなりません。
現行の制度や慣習では、高齢になって身寄りがなければ、いろいろな不都合が生じます。
例えば、入院や介護施設に入るとき、多くの場合、身元保証人を求められます。ひとり暮らしの高齢者は、入居できるアパートなどが少ないという問題もあります。深刻な問題です。
そうした問題に対応するため、最近は身寄りのない高齢者らを対象に身元保証などを行う「高齢者等終身サポート事業者」が出てきました。
入院や入所時の身元保証人になってくれるほか、支払いを一時的に立て替えたり、緊急時の連絡先になってくれたりします。
また、亡くなったあと、葬儀や入院・入所の費用の支払いといった事務手続きを代行するサービスをしているところもあります。
ただし、事業者によって契約内容はさまざま。料金の負担が大きくて利用できなかったり、必要なサービスを契約しようとすると別料金が発生するなど、わかりにくいということでトラブルがあるのも事実です。
厚生労働省は、高齢者等終身サポート事業者のガイドラインを策定し、適切な事業運営のための指針を示しています。
おひとりさま時代に重要な
「自己決定」の習慣
長い人生、ほとんどの人がおひとりさまで生きる可能性があります。
『身辺整理』(鎌田 實、明日香出版社)
そのときに慌てないためには、自分のことは自分で決める、つまり「自己決定」の習慣を身につけておくことが大切です。そして、友人や近隣の人たちとつながりを持ち、そのつながりを活かす知恵を持つことが求められます。
「いざというときは、葬式をあげて」と友人同士で約束していても、「同居していない他人」が死亡届を出し、埋葬許可証をもらうことはできません。
祭祀主宰者になる手続きをすることで、友人でも葬儀や埋葬ができるようになる、といった情報を得ておくことが求められます。
おひとりさまほど、お金の身辺整理をするだけではなく、葬儀や埋葬の身辺整理をしておく必要があるのです。







