老後に人生を振り返るとき、人は何に一番後悔するのか?
「孤独な時間」を楽しめる人と楽しめない人で人生の満足度が大きく違うという。
本記事では、山口周氏が「決して寝る前に読み始めないこと。一度ページをめくってしまうと止めるのは不可能です。」と絶賛している話題書『極限の漂流118日間』をもとに、「老後に孤独な時間を楽しめない人の特徴」をライター小川晶子氏が報告する。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)
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「真の孤独」を感じたとき、人は何を考える?
「孤独感」というのは、誰でも感じるときがあるかもしれない。
まわりに人がいてガヤガヤしていても、SNSでつながっていても、「自分は孤独だ」と感じることはある。
しかし、現代の日本に暮らしていて本当の孤独になることはめったにない。
この宇宙に自分しかおらず、二度と人間に会うことができないのではないかと思うような孤独を、私は感じたことがない。
だが、もしかしたら、老後に「真の孤独」を感じる可能性は十分ある。
子どもが巣立ち、パートナーと離別・死別の可能性もゼロではない。
「真の孤独」を感じたとき、人は何を思うのだろう。
孤独が人を変える瞬間
夫婦ふたりで太平洋を118日間も漂流したという驚きの実話『極限の漂流118日間』(ソフィー・エルムハースト著/村井章子訳)の中で、夫モーリスはとてつもない孤独を感じていた。
大海原をボートと救命ラフトで漂う夜の当直。
モーリスは星空を見上げながら、「この宇宙で生きているのは自分だけのような気がした」という。
見渡す限り海しかないうえに夜だから、真っ暗なのだろう。しかも足場はうすいゴム生地一枚だ。その頼りなさは精神をむしばむに違いない。
無線機もないので通信もできない、他の船も見かけない。
実際には妻が近くに寝ているから、完全なひとりぼっちというわけではない。
しかし、どちらかがいつ倒れてもおかしくないのだし、二度と他の人間に会えないかもしれないのだ。
モーリスはこの孤独の中で、何を思ったか。
相手が明らかにまちがっている場合、これまでは我慢できなかった。
だがこれからは違う。
結婚生活でのふるまいも変える、とモーリスは決意した。
「ふたりで協力すべきことに対して自分はひどく自己中心的だったが、そこを変える」と彼は書いている。
――『極限の漂流118日間』より
これまでの自分を反省し、良い人間になることを決意したのである。
老後に「孤独な時間」を楽しめない人の特徴
この描写から私は2つのことを学んだ。「孤独な時間」を楽しめる人になるためにも重要なことだ。
ひとつは、今のうちから自分の内面と向き合う孤独な時間が必要だということ。
忙しい現代人は、モーリスほど深く強く自分の内面に向き合う時間を取ることがない。
「わかってもらえない」とか「居場所がない」といったなんとなくの孤独感を抱えながら、適当に流してしまう。
しかし、「真の孤独」を感じたら変わるかもしれない。
海の真ん中に放り出されなくても、SNSや通信機器から離れ、孤独な時間をつくることは可能なはずだ。
そしてもうひとつは、モーリスがもう生きて還れないかもしれない状況で「これからは良い人間になる」と決意したように、たとえ死の間際であっても、良い人間になる決意はできるということ。
「もう遅い」などということはない!
いつからでも、いや、今すぐにでも望む自分になる決意をしたいと思った。








