実の父の登場でどうなる?
りんは環を大事に思っているが、娘の気持ちを聞くことができず、大事な進路の悩みを急に戻ってきたシマケンがちょうど良く聞くことになるという皮肉な展開。
さらにここにもうひとり、環にとって重要な人物が現れる。
実の父・奥田亀吉(三浦貴大)である。
夫婦間の離婚は夫婦の問題だが、子どもにとって離れても血のつながった父である。これまで父のことを母に聞くこともなかった環。シマケンを父代わりにしていたわけだが、亀吉の登場で、親が離婚したときの子どもの心情が描かれることになるのだろうか。
恵風看護婦会の事務所のまわりをうろちょろしている亀吉は、なかなかいい味を出していた。
環が実父と再会するだろうという想像は難くない。
そのまえに、環はシマケンと出会ってから進路について真剣に考えるようになった。
絵は好きだが、この時代、絵で身を立てることは女性の進路の選択肢としては、かなり異色だったことだろう。当然、積極的に考えられない。
環のなかで、もうひとつ、漠然と興味があるのが、母の仕事・看護婦だ。
働く母の姿を見て、住居のそばの事務所にもしょっちゅう顔を出していたら、印象には残るだろう。実家の職業を継ぐのが当たり前に思うように刷り込まれていくことに近いかもしれない。
環に字を教えてもらったセツ(村上穂乃佳)は、環の教え方がりんに似てうまいから、将来は学校の先生になるのかしらと言い(しのぶの立場は!)ながら、あんなにいいお手本が目の前にいるから当然看護婦か、とも言う。
この時代の女性の安定した職業が、教師一択から看護婦が加わったという認識なのだろうと感じる。だが、環は画家という異例の職業に惹かれている。
そのへんの揺れる心情は、りんと環の場面ににじむ。環が絵を描いているところにりんが来る。りんは娘が絵を描いていることをまったく知らない。
環は母の派出先の見学に行くことになる。その話が決まったあとで絵の帳面を見つつ、そっと閉じる。母の仕事を見ることは彼女にとっての楽しみなのではないかというふうに見える。
母が不在の寂しさを絵で埋めていたら、絵がうまくなってしまった環。彼女の進む道はどこ――。
今週は、引き続き、佃良太と吉澤智子の共同脚本。会話によってテンポよく話が進んでいる。









