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相続税の税務調査というと、通帳や証券口座をひたすらチェックされるイメージを持つ人が多いでしょう。しかし実際の調査現場では、通帳を開かずとも税務署のプロフェッショナルな視点で相続税の不正申告を見抜いています。長年、相続税の調査官として実地調査に携わってきた千葉文男税理士に、意外な着眼点について聞きました。(聞き手/岩田いく実)
相続税の不正申告を見抜く
「お忙しいですか」という質問の真意
――相続税の実地調査では、相続税の不正申告を見抜くために、実際にはどのような質問をするのでしょうか。
相続税の実地調査では一見、雑談のようでもこれは「被相続人以外のご家族が銀行の窓口に足を運べる状況にあったかどうか」を確認するための質問をします。「奥様は仕事をされていますか?お忙しいですか?」といった質問です。
現金の出し入れは、ネット取引やATMの利用限度額の関係で、まとまった金額になるほど窓口対応が必要になるからです。今ATMから出金する場合は1日50万円を基本の限度額としているケースが多く、、入金する場合も各行が限度額を設定しています。
つまり、平日の昼間に働きに出ているご家族であれば、窓口に足を運ぶ機会は限られるはずです。それにもかかわらず、定期的に被相続人名義の口座からまとまった入出金があれば誰か別のご家族が動かしたのではないか、と疑う材料になります。加えて、銀行の伝票には手続きに来た人の筆跡が残るため、後から税務署が照合することも可能です。
意外な着眼点は他にも
生活実態を一つずつ積み上げる質問とは
――税務署の質問は鋭いですね。しかし、不正申告の証拠を掴むためには確証が必要なのではないでしょうか。
いきなり確証が掴めることの方が少ないですからね。調査官は実地調査時に、被相続人がどんな性格だったか、趣味は何か、生活費はどこから出ていたか、といった質問を、世間話を装いながら丁寧に重ねていきます。ゴルフや骨董(こっとう)品収集といった趣味があれば、その分の支出や関連する資産の存在を想定できます。
逆にご家族が現金などを隠そうとして「趣味らしい趣味はなかった」という証言が出れば、使わなかった分のお金がどこかに残っているはずだという見立てが立ちます。生前の暮らしぶりを聞きながら、確証に少しずつ近付いていくのです。
税務調査官が見たがる
自宅の「意外な場所」とは?
――実地調査では、通帳などの証拠以外に「意外なもの」を見ていると聞きます。具体的にどのようなものでしょうか。







