「今の仕事、自分には向いていないのかもしれない」。そう思っても、単に努力が足りないだけなのか、本当に仕事との相性が悪いのかは判断しにくいものだ。漫画家・かっぴー氏の著書『天才になれなかった全ての人へ 自分だけの武器が見つかる才能論』で紹介されている「カード思考」と「天才状態」から考えてみよう。(構成/ダイヤモンド社・榛村光哲)

「今の仕事に向いてない人」の特徴・ワースト1Photo: Adobe Stock

自分が持っているものは、すべて「カード」

まず「カード思考」とは、自分が持っている能力や性質、経験などを「カード」として捉える考え方だ。

「企画力」「文章力」といったわかりやすいスキルだけではない。「人と話すのが好き」「細かいことが気になる」「体力がある」「人に好かれやすい」「特定のジャンルだけ異常に詳しい」といったものもカードになる。

そして重要なのは、カードの強さは、それを使う場所によって変わるということだ。「慎重さ」が武器になる仕事もあれば、スピードを求められる仕事では足かせになることもある。だから、自分のカードだけを見るのではなく、「今の仕事で、そのカードが活きているか」を考える必要がある。

「天才状態」なら、自分の力を100%使える

そして目指したいのが「天才状態」だ。自分の能力を100%発揮でき、無理のないナチュラルな状態で、それが周囲に価値を生んでいる。つまり、自分の持っているカードをしっかり使えていて、それが環境の求めるものとも噛み合っている状態だ。逆にいえば、今の仕事が向いているかを考えるときには、「自分は天才状態からどれくらい離れているのか」を見てみるといい。そのヒントになるのが、「MP(マジックポイント)」と「VALUE」である。

人と同じことをするのに「MP」を何倍も使っていないか

ゲームでは、技によって消費するMPが違う。同じように仕事でも、人によって同じ作業に必要なエネルギーは違う。

ある人なら30分で終わらせて、そのまま次の仕事に移れることでも、自分は終わっただけでぐったりしてしまう。人前で話すだけで猛烈に疲れる人もいれば、何時間話しても平気な人もいる。細かい数字の確認に大量のMPを使う人もいれば、それほど苦にならない人もいる。

仕事の中心にある作業で、周囲の何倍ものMPを使い続けているなら、一度立ち止まって考えたほうがいい。毎日100のMPを使ってようやく人と同じ成果なら、その仕事は自分のカードと噛み合っていない可能性がある。

「楽しい」だけでも天才状態にはならない

もう一つ重要なのが「VALUE」、つまり価値の観点だ。自分が楽しいことをやっているだけでは、天才状態とはいえない。自分では何時間でもやっていられるし、本人としては最高に楽しい。

しかし、それが周囲の役に立たず、仕事の成果にもつながっていないのであれば、「好きなこと」と「求められていること」が噛み合っていない。

自分のカードと仕事が噛み合わず、人と同じ成果を出すために大量のMPを使い、自分が自然に楽しめることもVALUEにつながらず、さらに自分の得意なカードまで十分に使えていないことだ。

もし今の仕事に違和感があるなら、「もっと頑張れば向いてくるはず」と考える前に、自分のMP、VALUE、そしてそもそものカードを確認してみよう。「何をすると異常に疲れるのか」「何なら自然に続けられるのか」。

その答えが今の仕事と大きくズレているなら、「自分には能力がない」のではなく、まだ自分が天才状態になれる仕事を選べていないだけかもしれない。