悪気はないのに、なぜか相手をイラッとさせてしまうことがある。正直に意見を伝えているだけでも、何気なく使う言葉によって、「人の話を聞かない」「話しても疲れる」と思われてしまうこともあるのだ。では、人間関係で知らず知らずのうちに損をしてしまう言葉とは何か。伊庭正康氏の最新刊『仕事・人間関係で損する人、得する人』から特別に内容を一部抜粋・再編集してお届けする。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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ワースト1:「でも」
先日、80歳を超える私の両親がめずらしく、言い合いをしていました。
父が昼寝でゴロゴロしていたため、「少しは動いたら」と母が助言したことがきっかけでした。それに対する父の反応は「でもね……」。
母からすると、良かれと思って助言しているのに、聞く耳を持たない父の姿勢にイラついて、「お父さんはすぐに否定する。それはダメだと思う」と口論になってしまったのです。
私の父のように、反射的に出てしまう言葉で損することはよくあることです。
「でも」「いや」「そうじゃなくて」
本人からすれば、正直に意見を言っているつもり。
「言うべきことをきちんと言える自分」を大事にしているだけ。
しかし、周囲にとっては、
「この人、なんでもかんでも否定する人だな」
「話しても疲れるだけ」
と思われてしまう。
そうすると、「面倒な人」認定されてしまい、話を聞いてもらえなくなります。
なぜなら、人はコミュニケーションコストが高い相手を自然と避けるようになるからです。
能力は高いのに「減点されてしまう人」の共通点
私はこれまで多くの研修の場で、能力はあるのに「周囲から評価されない」人たちにたくさん会ってきました。
不思議なことに、そういう方のほとんどが、会話の冒頭で「ただ……」「でも……」「私が思うのは……」と、先に反論を言う傾向があると感じています。
能力がないのではありません。意見もある。知識もある。
ただ、「でも」が先に来ることで、「人の話を聞かない」と少しだけ嫌な感じに思われてしまうのです。
人は「自分を理解してくれる相手」に心を開く
影響力の研究で知られるロバート・B・チャルディーニは、
「人は、自分の意見を先に認めてもらった相手の話に耳を傾けやすい」
という趣旨を述べています。
逆に言えば、「でも」から始まると、相手はすでに聞く耳を閉じてしまっているのです。



