結果的に下田市で何丁目と言ったらここしかない、といった力強い響きの住所となりました。ただ実はそんなこともなく、下田市1丁目のすぐ北側には伊豆急下田駅がありますが、駅を挟んだ東西は東本郷1丁目、西本郷1丁目となっています。駅を中心として1丁目が渋滞してますね。なお東本郷は1~2丁目、西本郷は1~3丁目までで、下田市内に他に何丁目と付く住所は存在しないので、4丁目・5丁目・6丁目については確かに「ここしかない」という住所になっています。

「1丁目」ではなく「1丁」
堺市だけにある独特の住所

 堺警察署の住所は「大阪府堺市堺区市之町西1丁1-17」です。何か違和感がありませんか?

 そう、1丁目ではなく1丁と書かれていますね。これは脱字や書き間違いではなくて、堺市ではごく一部の地域を除いて、1丁目、2丁目ではなく、1丁、2丁と、丁目の「目」を書かないのです。これは日本全国でも堺市だけに見られる表記です。

 堺市のウェブサイトの説明によれば、「それぞれ独立した町が東1丁や西2丁……などに変わったため、町を細分する意味合いを持つ「丁目」はなじまず、町と同格の意味で、「丁」を使ったものと思われます(1町、2町とも呼ばれていました)」とあります。

 丁目から目が取れたというよりは、町の別表記だったという方が近いのかもしれません。なお昭和の初め頃、「丁」ではなく「丁目」と「目」をつけるかどうかについて堺市議会で議論されたことがあるらしいですが、やはり由緒のある「丁」に統一しようということになったということです。地方自治法第260条を引きます。

「市町村長は、政令で特別の定めをする場合を除くほか、市町村の区域内の町若しくは字の区域を新たに画し若しくはこれを廃止し、又は町若しくは字の区域若しくはその名称を変更しようとするときは、当該市町村の議会の議決を経て定めなければならない」(太字筆者)

 地域の名称というものが、いかにそれぞれの地域の事情に深く依存したものであるか、これまたよく分かる一幕です。