まさかのシマケン、病に…

 直美は正義感を発揮し、また柳生(中村倫也)に、お金を使って怪しい看護婦に証明書を出すことを取り締まってほしいと頼む。

 だが柳生はいう。

「最初の混乱は想定内だ」
「多少の犠牲は仕方ないものと受け入れてくれたまえ」
「患者のために取り締まってくれと言ったのは君だろう」
「試験ほど公平で実力通りになるものはない。違うか?」

 正論である。

 でもモヤモヤが止まらない。

 そんなときに、さらなる再登場者が。終盤、これまでの登場人物が続々登場するのは朝ドラあるある。

 ヒデ(池田朱那)が医者になって現れる。

 看護婦に絶望して病院を辞めたヒデは医者の道を選んだのだ。

 3回試験受けてやっとなったという努力家。

 りんや直美がドラマ上では運の良さを発揮していたなかで、ツヤやヒデは努力に努力を重ねていた。その努力をドラマで見たいという視聴者もいるけれど、それはそれだ。

 ツヤも試験を頑張ろうと前向きだ。確かに試験に受からない前提にする必要はない。正々堂々と試験を突破すればいいのだ。愚痴るのは万が一、試験に落ちたときでいい。

 明るい気持ちになったところで、急激にドラマが乱気流に巻き込まれる。シートベルトのご用意を。

 シマケン(佐野晶哉)が病にかかり、先月手術を受けていて、退院したので派出看護を恵風看護婦会に依頼してきた。

「知ってる人の看護は大変だよ」と経験者の直美は心配するが、りんは「私に行かせてほしい」と申し出る。

 りんと直美は、雪の中、シマケンの家へ向かう。雪が深刻ムードを高める。

 すごい。ドラマのクライマックス、恋と看護をドッキングしてきた! これは予想できなかった。

 メインテーマである明治の看護の黎明期に、サブテーマ・主人公の恋(女性の生き方)を一気に描ききる作者・渾身の展開であろう。

 さらに、この場に及んで、ヒデのいう柳生の「奥様」のことも相変わらず思わせぶりの言いっぱなし。これはどこかで説明されるのだと思うが、じりじりする。

「自分勝手」は「悪い人」?そうとは言い切れない“人間くさい理由”〈風、薫る第123回〉
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