「紙の新聞」の価値を、世の中にもっと広めたい
江川さんは、自分がかつて通った大学のキャンパスや当時の学生の様子を思い出しながら、昨今の大学生の傾向を語ってくれた。
江川 最近の学生は、傷つきやすい人が多いですね。そして、優しい。自分も傷つきたくないし、人のことも傷つけたくないという気持ちがとても強いようです。傷つきたくないので、何事も慎重。SNSにおいては、「発信する若い世代に問題がある」という見方をする人もいますが、若い世代のほうが年長者よりも発信に慎重だと思います。Xのアカウントを持っていても、「見るだけ」の学生も多いです。リポストもあまりしない。Xのポストなどは、誰に見られるかがわからず、自分の発言が曲解されたり、意地悪な人の目に触れたりして嫌な思いをすることもある。それを避けたいようです。
そうした学生たちに、江川さんが望むのは、「さまざまな媒体に接すること」だという。
江川 私の授業では、普段は新聞を見ない学生に新聞を読む時間をつくり、「新聞にはこんなことが出てるのか」と気づく体験をしてもらっています。新聞をはじめ、さまざまな媒体に触れて、物事の因果関係を知ること――それが大切です。
学生に限らず、私は、「紙の新聞」の価値を、世の中にもっと広めたい。読むのはタブレットでもいいのですが……新聞は、開いたときにいろいろな情報が目に入ってきます。自分が関心のある記事だけではなく、思いがけない情報との出合いもあって、特に、各新聞の1面にあるコラムは小ネタの宝庫です。読めば、社会の見え方が変わり、たとえば、「昔の詩人はこんなことを思って、そんなことを書いていたのか」と、コラム内で紹介された一節だけではなく、詩全体を読んでみたくなり、新たな出合いが生まれていきます。








