
新社会人が読者層の『フレッシャーズ・コース(*)』には、著名人のライフストーリーを綴った「The Life」というインタビューページがある。各界から、人気と魅力あふれる6人が登場し、社会で働き始める学生が、6人6様の生き方から“気づき”を得て、自分のキャリアを考えていくコーナーだ。今年度版(『フレッシャーズ・コース2027』)の出演者の一人である吉沢悠さんは、19歳でデビューし、これまで、数々の映画・テレビドラマ・舞台作品に出演してきた。他者との縁や自分の考えを大切にしながら俳優業で活躍を続ける吉沢さんに、仕事の「過去・現在・未来」を語ってもらった。(ダイヤモンド社 人材開発編集部、撮影/菅沢健治)
* 『フレッシャーズ・コース2027』(ダイヤモンド社)は、全7巻ワンセットの新卒内定者フォローツール。吉沢悠さんは、その第2巻「The Life」(著名人インタビュー)コーナーに登場している。
26歳のとき、芸能活動をいったん休止し、海外へ
カラオケでエントリーできるオーディションに参加したことをきっかけに、19歳で俳優デビュー。映画、テレビドラマ、舞台(演劇)と、第一線で実績を重ね、近年はロングラン公演中の舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』で、主人公のハリー・ポッターを演じるなど、幅広い活躍で知られる吉沢悠さん。
順調にキャリアを積んできたように見える俳優人生だが、26歳のとき、所属していた大手芸能プロダクションを退社し、芸能活動をいったん休止している。
吉沢 当時、仕事はほぼ途切れることなく続いていましたが、ふと、「アウトプットが多いな」と。頭の中の整理ができていない状態で活動を続けることに恐怖を感じてしまったのです。表現することが楽しくて俳優になったのに、「やらなければ。でも、自分は何か無理をしている」という思いで頭の中がパンパンになり、いま立っている場所から離れて、「自分を客観的に見直してみたい」という気持ちが強くなりました。そして、まったく違う世界を見たくて、芸能界から一度離れる決心をしたのです。

吉沢 悠 Hisashi YOSHIZAWA
1978年、東京都出身。1997年、夢カラオケオーディションで準グランプリを受賞して、芸能界に入る。1998年、テレビドラマ『青の時代』で俳優デビュー。以降、ドラマ、映画、演劇など幅広い活動を続けたが、2005年に芸能活動を休止し、ニューヨークに留学した。2024年、舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』にハリー・ポッター役で出演(2026年、カムバック公演に出演し、卒業した)。2025年には、テレビドラマ『ザ・ロイヤルファミリー』(TBS系)、NHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』、2026年は、テレビドラマ『名探偵のままでいて』(テレビ朝日系)、映画11月20日公開『ないものねだりの君に光の花束を』などがある。
「生きた英語を学びたい」と単身渡米した吉沢さんは、一流のエンタテインメントが間近にあるニューヨークを拠点にすることを選択。語学学校に通い、俳優・吉沢悠ではなく、“日本から来た一学生”という環境に新鮮さを感じながら、観劇や美術館めぐり、さらには柔術を習い始めるといった生活を送り、心の余裕を取り戻していった。
吉沢 ある夏の期間、ニューヨークを出て、フロリダの学校に2週間だけ転入することになったのですが、大規模なハリケーンに襲われ、停電になってしまったんです。イタリア人、スペイン人、フランス人、韓国人、そして、日本人の僕が学生寮の真っ暗な部屋で対話をしていたら、なぜか、「自分の国の国歌を、ひとりずつ歌おう!」となり、僕は『君が代』を厳かな空気の中で歌いました。留学中は「あなたは日本で生まれ育ったのだから、母国に対して思うこともあるだろうし、これまで学んできたものを教えてほしい」と言われるなど、自分のアイデンティティについて考える機会が多かったです。それまで、映画やドラマで時代劇に触れる機会はありましたが、「日本のことをもっと知りたい、歴史を掘り下げたうえで作品に向き合いたい」という気持ちがどんどん強くなっていきました。
学生&新社会人向け『フレッシャーズ・コース2027』の「TheLife」コーナーにも、吉沢悠さんが登場している。吉沢さんならではの語り口&仕事のキャリアから、読者は多くの気づきを得ることができる。4ページにわたる、貴重なインタビューだ。







