「経済的に負担になる」
がん検診を受けない日本人
「働き盛りのビジネスパーソンの中には、私のように『忙しくて時間が取れない』という理由で検診を避けている人も多いと思います。でもよく考えてみてください。がん検診に必要な時間は限られている一方、がんの発見が遅れて進行がんに至ると、抗がん剤や放射線治療など、身体への負担が大きい長期的な治療が必要になるかもしれません」
「40~60代は若い頃にした“人生の投資”を回収する時期だと私は思っています。そんな大切な時期に長期間の治療を行うことを考えたら、検診を受診して早めに対応するほうがコスパもタイパもいいと思います。ぜひ会社の健康診断のタイミングなどでがん検診も受診してほしいですね」
木村先生がこう強調する背景には、日本のがん検診受診率の低さがあります。
内閣府が発表した「がん対策に関する世論調査(2023年7月調査)」によると、有効回答者1626人の中で、「1年以内にがん検診を受けたことがある人」は32.8%。これに対し、「今までがん検診を受けたことがない人」は34.9%に上りました。
がん検診を受診していない理由については、「心配なときはいつでも医療機関を受診できるから」(23.9%)、「費用がかかり経済的にも負担になるから」(23.2%)、「健康状態に自信があり、必要性を感じないから」(16.6%)など、さまざまな要因がありました。
また、あくまで女性を対象としたデータですが、日本医師会の資料によると、日本における乳がん検診受診率は47.4%だったのに対し、米国は76.1%、韓国は69.9%と大きな差がありました(※注2)。また、子宮頸がんの検診受診率は、米国が71.7%、英国が70.2%だった一方、日本は43.6%にとどまっていました(※注3)。
※注2:50~69歳の乳がん検診受診率を比較(日本のみ40~69歳)
※注3:20~69歳の子宮頸がん検診受診率を比較
木村先生は、このようにがん検診の受診率が低い理由の一つとして、日本ならではの「国民皆保険制度」が関係しているかもしれないと考えています。









