問診でためらわずに伝えて!
がんの早期発見につながるキーワード
そのためには、患者側が「わざわざ医者に言わなくても大丈夫だろう」と思っている症状を、ためらわずに話すことが重要になります。
例えば、のどが詰まった感じがしたり、声が出しにくかったりする場合。
単なるかぜの症状ではなく、こうした違和感を訴える人が来院すると、木村先生は「もしかしたら、この人はがんかもしれない……」というアンテナをオンにして患者と向き合うといいます。
具体的には、咽頭がん、喉頭がん、口腔がん、食道がんなどの可能性があるとのこと。喫煙はこうしたがんになるリスクを大きく高めるため、問診で「喫煙歴がある」と回答した人に対しては、より疑いを強めるそうです。
「症状が数日で収まれば、基本的には問題ありませんが、長く続く場合は内視鏡検査をしたり、画像診断のために総合病院へ紹介状を書いて検査を勧めたりすることもあります」と木村先生。仮に症状が収まっても、再びのどに違和感が出たら「すぐに再来院してほしい」と伝えるとのことです。
また、同時に複数の口内炎ができる「多発性口内炎」を患っている人も、その裏には別の病気が潜んでいるかもしれません。
木村先生が勤務医だった頃、多発性口内炎で来院していた30代女性の患者が、だんだん貧血の症状が強くなり、急性白血病と診断されたケースがあったといいます。白血病の発症によって正常な白血球が減り、免疫力が落ちてしまったことが、口内炎の多発につながっていたというわけです。
それ以来、木村先生は、多発性口内炎で来院した人には白血病の可能性を疑い、時には採血をするほか、身体にあざやだるさがないかにも注意しながら診療しています。「口内炎がたくさんできる」という人は、その旨を主治医に伝えて判断を仰いでみるのが良いかもしれません。
「のどが詰まった感じがする」「口内炎がたくさんできる」。木村先生は、このような患者からの相談を軽視せず、些細な体調の変化に潜む「重大な疾患の初期症状」を見落とさないようにしています。
このほかにも、喫煙者が「茶褐色や黒色の痰が出る、咳が長引く、胸の違和感がある」などと述べると、医師が肺がんを疑うアンテナがオンになるといいます。「茶褐色や黒色の痰が出る場合は、肺がんによって、腫瘍から出血がある可能性が考えられるためです。専門医の診察を受けてみてください」(木村先生)。
時々でも「便が細い」「血便や黒っぽい便(タール便、下血)が出る」場合も要注意。「大腸がんが原因かもしれないので、消化器内科などを受診して主治医に伝えてみてください」(木村先生)。
ただし、健康な人が「安く検査を受けたい」といった理由で、ウソの症状を述べることは絶対に避けてください。一方で、たとえ毎日ではなくても、症状がある場合は遠慮なく医師に伝えましょう。







