図表5-5は「賃金構造基本統計調査」により1999年から2023年までの大企業と中小企業の給与格差を示したものである。

図表5-5 大企業と中小企業の年間給与比較同書より転載 拡大画像表示

 ここでは、無理にOECDの統計にあわせないで、「賃金構造基本統計調査」にあるように、企業規模を1000人以上(大企業)、100~999人(中企業)、10~99人(小企業)に分け、それぞれの年間給与(決まって支給する現金給与額×12+年間賞与)と100~999人、10~99人の企業の年間給与の1000人以上の企業の年間給与に対する比率をみている。

 全体の動きをみると2010年頃まで、どの規模でも年間給与は減少してきた(念のためだが、名目値である)。これは2000年のITバブル崩壊による不況、2008年のリーマンショックによる不況の影響であろう。

 その後、2013年の異次元緩和の効果もあって上昇しているが、2020年のコロナショックにより大企業では再び下落した。ただし、中小企業では下落がみられない。

 大企業に対する中小企業の年間給与の比率をみると、2010年頃まで低下または横ばいであるが、その後、上昇するようになった。2013年頃までは、大企業の給与が減少するなかでの比率の上昇であったが、それ以降、中小企業の給与が上昇するなかで比率が上昇するようになっている。

大企業との給与格差を
縮めたのは人手不足だった

 なぜだろうか。中小企業政策の成功で給与格差が縮小したとは考えられない。1999年から現在までの中小企業政策になんらかの変化があったわけではないからだ。最大の要因は、人手不足であるだろう。