富裕層必見!資産防衛&節税術Photo:PIXTA

つぶれる会社とつぶれない会社の「決算」はどこが違うのか?連載『富裕層必見!資産防衛&節税術』の第35回では、税理士・公認会計士として多くの経営者の相談を受けてきた経験を踏まえ、つぶれる会社とつぶれない会社を一発で見抜ける決算書の読み解き方を伝授する。(税理士法人レガシィ代表社員税理士・公認会計士 天野 隆)

自社にも取引相手にも使える
つぶれる会社とつぶれない会社の見分け方

 税務・会計の専門家として、筆者が経営者からよく相談される二つの質問がある。

 一つ目は他の企業についての質問で、「この会社と取引して、商品代金の回収は大丈夫か」というものだ。代金を回収できなければ、大損である。取引先が突然倒産して、売掛金がそのまま焦げ付いてしまう――。そんな話は決して珍しくない。だが、その相手先の決算書を見せてもらっても、「つぶれるか?つぶれないか?」の見極めはそう簡単ではないだろう。

 もう一つの質問は他社ではなく自社についてのものだ。「わが社の内部留保は十分か、否か」という質問だ。言い換えれば、「役員報酬や配当によって会社に残る利益が少ないのでは」という不安の表れである。内部留保が厚いと不測の事態に備えられるため、経営者は「わが社の内部留保は倒産から遠いか?近いか?」を知りたいわけだ。とりわけ同族企業の場合、オーナーが役員報酬や配当を決められるので判断に迷うことが多い。

 決算の専門家として相談を受けている以上、何らかの見解を示さなければならない。しかし、気安く「大丈夫です!」などと言って、もし大損が出たら責任問題だ。だからこそ、根拠のある判断基準を持っておくことが大切となる。

 筆者は公認会計士として多くの決算書を見てきたことで、つぶれそうな会社とつぶれなさそうな会社の見分け方を経験的に知った。次ページで、その見分け方の中から、誰でも実践できる明快な方法を伝授しよう。