SNSでは介護関係者から、次のような声が上がっている。
「これは無理ゲーだよ、介護業界も壊滅するんじゃないのか」
「今は給料を上げても日本人が来ない。助けてくれている外国人スタッフが日本から離れてしまったら、ますます人手がいなくなり、サービスが低下し、事故が起こる恐れがある
「閉鎖的、排他的な政策のしわ寄せは、結局、日本人自身に返ってくる」
東南アジアを中心に人材事業を展開する日本人経営者の知人は、日本の相対的な国力低下を懸念する。
「円安、物価高、実質賃金の低迷。それに外国人への厳しい視線や政策が重なれば、日本に来るメリットはなくなります」
「所得水準や購買力でもアジア諸国との差が縮まり、日本はもう、かつてのような豊かな『先進国』ではないです。また、日本人にとっても難しい収入要件を設定して永住申請条件を作ったら、若いときは働いて、年を取ったら帰りなさいと言わんばかりで、日本を選ぶ理由がなくなります」
そして、前述の知人は、日本人が見落としがちな論点を提示してくれた。
「移民に反対する人たちは、よくアメリカやヨーロッパ、シンガポールなどの国の移民政策に比べて、『日本は緩い』と主張しますが、今の日本の国力をアメリカなどと比べられるでしょうか」
一方、SNSでは「外国人なんだから日本人より厳しくするのは当然」「外国人が早急に日本から出ていけ!日本は日本人だけでいい」といった排外的な言葉が目立つ。
アジア・ヨーロッパから多くの国々が見学に訪れる神奈川県藤沢市にある介護事業者「あおいけあ」の代表である加藤忠相さんは、次のように警鐘を鳴らす。
「『外国人労働者なんて自分には関係ない』『介護なんて自分には関係ない』と思っている人もいるでしょう。しかし、いずれ自分や家族が介護を必要とします。外国人を排除した結果、社会のサービスを維持できなくなれば、その代償を払うのは結局、我々日本人自身です」
外国人政策について議論すること自体は排外主義ではない。外国人にも日本の法律や社会のルールを守ってもらう必要がある。そして、不法滞在への取り締まりや在留資格制度の適正な見直しは必要だと多くの在日外国人もそう思っている。
問題は、「外国人」というだけで一括りにし、日本社会を支えている人々まで排除する方向へ進んだとき、その先に何が起きるかである。
介護は一つの業界にすぎない。
コンビニ、外食、物流、建設、製造、農業――。日本社会の至るところで、外国人労働者なしでは成り立たない。
外国人が日本を選ばなくなったとき、困るのは誰なのか。これからどのような社会と生活水準を維持していくのか。これは日本人自身に突きつけられた問題である。







