相手の美点だけを見るようにすれば、学びもあり、一緒に居ることのうれしさまでが得られる、それが尊敬の徳です。それは決して、単なるきれいごとや精神論などではありません。
近年、チームビルディングや組織開発の分野で話題になっている「心理的安全性」という考え方があります。これは2016年に、アメリカGoogle社の「プロジェクト・アリストテレス」の調査によるもので、数百もの自社チームを分析した結果、生産性が高いチームは「心理的安全性が高い」ということが明らかになりました。
一般的には、メンバーの能力や働き方が重要だと考えられていますが、実際にはそれよりも「安心して発言できる」という心理的な要素の方が、生産性に大きな影響があったわけです。
たとえば、心理的安全性の低いチームは皆が失敗を隠しがちになるため、失敗の数が多くなるそうです。逆に心理的安全性の高いチームは失敗の報告が増えるので、結果として避けられるミスが減り、さらに失敗からも学べるため仕事の質が向上する、というわけです。
さらには、組織に「多様な能力を持つ人間が集まりやすくなる」というメリットも期待できます。
「心理的安全性」を維持するためにも、相手に尊敬の念をいだくことは、もっとも簡単でしかも有効なやり方なのです。
「優れた組織ほどミスが多い」
その意外な理由とは?
人から感謝されたり、恨まれたり、ということの原因は、思い起こせば小さなことです。それは、あなた自身の好き嫌いなのでは?
好悪の感情は、ごく些細な言動から、相手に伝わってしまうものなのです。良いチームビルディングをしようと思えば、絶対にメンバーを嫌ってはいけません。
「優れた組織ほどミスが多いことがわかった」
「心理的安全性」を提唱したハーバード大学のエイミー・C・エドモンドソン教授が、著書『恐れのない組織』(英治出版)で語っています。その理由は、「優れた組織は、恐れることなくミスを報告できる組織風土があるからだ」とのこと。
確かに、隠ぺい体質のある組織にいたら、毎日嘘をつき続けなければならないので、ハラハラの連続でしょう。
「言えばスッキリする」
「問題は明らかにすれば解決できる」
「大きな問題ほど、早く報告する」
昔も今も、原理原則は変わりません。
では、あなたは皆が安心して発言できるチームづくりができているでしょうか?皆が安心して心の内を明かせるようになるには、まずはあなたがメンバーを信じ、愛情を抱く必要があります。
他人の欠点を直そうとするのは
自分の弱さの裏返し
心洗われるような清き美しきものを周りにおきましょう。あなたもきっとそうなれますよ。
『リーダーをつくる123の言葉 超訳『言志四録』』(佐藤一斎著、小椋浩一訳・解説、PHP研究所)
これが筆者には、なかなか腹落ちしませんでした。特にリーダー、上司ともなれば、部下の欠点を直さなければならない、と思い込んでいたのです。
しかしそれは、単なる優越感、つまり自分自身の弱さゆえ、いやむしろ単にそれだけだったのかもしれない、と今では思います。
おかげで何度もぶつかりました。反発し、去っていった部下たちもたくさんいます。それでも自分は、それはリーダーゆえの孤独だよと、反省しませんでした。しかし結果から見れば、それが筆者のキャリアのつまずきのタネだったのです。
目の前の人を清き者として接する。この重要性にもっと早く気づけていれば、と思うところもありますが、まだまだ人生は続く。今さらながら、気づいて良かったと思っています。







