スマホを見る女性写真はイメージです Photo:PIXTA

勤務中に私的な理由でSNSやネットショッピングを眺めている社員を、快く思わない上司は多い。しかし研究の結果、こうした息抜きの意外な効果が見えてきた。気を張って働くのとサボりながら働くのでは、生産性が高まるのはどちらか?※本稿は、社会心理学者のデヴォン・プライス著、佐々木寛子訳『なぜ休むことに罪悪感を覚えるのか』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を抜粋・編集したものです。

1日8時間労働は
体への負担が大きすぎる

 生産性や燃え尽き症候群に関する実証研究によると、人間の仕事量には上限がある。そしてこの限界は思っているよりずっと少ない。たとえば、週40時間労働(米国では人道的かつ適切な労働時間とされている)は、大半の人には長すぎて負担が大きい。

 人間は機械ではない。私たちの心身は、反復作業や気を使う業務に1日8時間以上も耐えるようにはできていない。それでも多くの人は自分の限界を超えて、健康でいられる時間以上、頑張って働こうとする。

「怠惰のウソ」(編集部注/怠惰な者は幸せや成功を手にする資格がないとする価値観を、筆者はこう呼ぶ)は、人が無理なく続けられる以上の生産性を目指すよう、私たちを焚きつける。その結果、多くの人が壊れるギリギリのところで生きている。

 その極限で激しい衝突を起こす人もいる。ジュリー(編集部注/シカゴを拠点とするNPO代表)は心身を壊してようやく、仕事と私生活の境界線が必要だと悟った。マックス(編集部注/筆者の友人でIT企業のライター)もそうだった。私も、のんびりするしかないと気づくまでは、何カ月も体調不良に苦しんだ。