消化管に潜むサナダムシや血液を吸うヒルなど、驚くべき寄生能力を持つ生物たち。一方で、庭の土を豊かにするミミズや、堅い殻で身を守るカタツムリなど、無脊椎動物は多様な進化を遂げてきた。自分の身体を引き裂いて増える無性生殖や、オス・メスの両方の機能を持つ雌雄同体といった特殊な生き残り戦略など知られざるミクロな生物たちの世界を『アメリカの中学生が学んでいる 14歳からの生物学』から紐解く。(ダイヤモンド編集局)

タコの画像Photo: Adobe Stock

寄生性と驚異の繁殖力

扁形動物は、平たい生物で、水中で身体をくねらせて移動する。
間充織と呼ばれるスポンジ状の結合組織によって、身体が1つにまとまっている。

ほとんどの扁形動物は自活できるが、一部の種は寄生性で、別の生物がいないと生きられない。
宿主に害をおよぼしたり、さらには宿主を殺したりすることもある。
寄生性の扁形動物の一例がサナダムシである。
宿主の消化管の中に棲み、宿主の摂取した食物を食べてしまう。

扁形動物は有性生殖と無性生殖の両方をおこなう。
有性生殖をする一部の扁形動物は雌雄同体で、刺胞動物と同じく精子と卵子の両方を作って生殖することができる。
無性生殖には2通りの方法がある。
出芽では、親の身体からちぎれた芽体が新たな個体になる。
分裂では、自らの身体をいくつもの断片に引き裂き、それぞれの断片が新たな個体に成長する。

線形動物は、2本の長いチューブが互いに入れ子になったような身体のつくりをしている。
ほぼどんな環境でも生きることができる。
自活するものも寄生性のものもいる。
また、肉食性のものも植食性のものもいる。
肉食性の線形動物は口の中に歯のようなものがあり、それで別の生物に取り付く。

線形動物はおもに有性生殖をする。
一部の線形動物は雌雄同体である。

ミミズやヒルの生態と環境の中で果たす役割

環形動物にはミミズ・ヒル・ゴカイなどがいる。
多数の小さなリング(体節)が連結した身体のつくりになっている。
多くは身体中に剛毛が生えていて、それを使って移動する。
体節を伸縮させることができ、それと剛毛を組みあわせることで、かなり柔軟に動ける。多くの環形動物は地中に穴を掘り、土の中の有機物を食べる。
環形動物の排泄物が分解すると土が肥え、植物の成長が促されるため、どんな環境においても環形動物は重要な存在である。

園芸家がミミズを好むのは、庭の土の状態を良くしてくれるからだ。
ミミズはたいてい土の中に棲んでいて、生きた有機物や死んだ有機物を食べる。

ゴカイは海底に棲んでいて、餌となる微小粒子をあさる。

ヒルは寄生性で、別の動物から栄養分に富んだ血液を吸うが、別の無脊椎動物を捕らえて食べることもある。

環形動物は有性生殖も無性生殖もする。
ミミズなど一部の環形動物は雌雄同体だが、自家受精することはできない。

軟体動物の身体を包む外套膜と保護構造

軟体動物は身体が軟らかく、多くは殻を持っている。
外套膜と呼ばれる組織層によって身体が包まれている。
殻は、堅い炭水化物であるキチンと、炭酸カルシウムでできている。
殻を持つ軟体動物の場合、外套膜は内臓を保護するとともに、殻を作る化学物質を分泌する。
軟体動物の例としては、カタツムリ・ナメクジ・カキ・イカ・タコなどがいる。
頭足類と無板類の2つの綱は、殻を持たない。
頭足類の一例がタコ。

軟体動物は有性生殖をおこなう。
一部の種は雌雄同体だが、自家受精することはできない。