単身者の需要と逆行する
「マンション条例」
というのも、都区部のすべての区にはマンション条例があり、新規に供給側は面積を自由に設定できない。この詳細な内容は区によって異なるので、大まかにどんなものかを説明しておこう。
例えば、一定規模(例:総戸数15戸)以上の物件には、最低住戸面積として25平方メートル前後を求める区が多い。豊島区では、30平方メートル未満の単身向けを作る際にはワンルームマンション税のような税金を徴収されたりする。また、40平方メートル以上を一定割合作ることが義務付けられたりしている。
この様に、面積に規制を加えると、25平方メートル未満は条例導入前の築古しかないとか、25平方メートル・40平方メートル付近の物件が供給過剰でダブつきやすいなどの弊害が生まれやすい。
この様な条例が作られた背景は、単身者によるゴミ出しルール違反や騒音問題といった生活トラブルの防止や地域コミュニティの維持のためファミリー層を呼び込むなどの目的があった。
しかし、都区部の平均世帯人員は今や1.75人まで急減しており、今後もこのトレンドは変わりそうにない。つまり、単身者が圧倒的に多く、増えているのに、大きめの面積の賃貸住宅が量産されているのだ。
特に、最近の賃料の上昇は稼働率が高いからこそ起きている。稼働率は在留資格のある外国人を含めた需要の急増に対して、供給不足になっていることも要因になっている。仮に25平方メートル以上という規制を20平方メートルに下げたら、面積が2割減って、供給戸数は25%増やせる可能性がある。
確かに1980年代のバブル期には20平方メートル未満のワンルームが大量に供給されて、その後の需要とミスマッチになった経緯がある。
しかし、21世紀になってJ-REIT(日本版不動産投資信託)や私募ファンドなどのプロが直接賃貸住宅運営をするようになり、それまでの地主の土地活用だけの市場とは異なり、成熟してきている。そうした賃貸住宅市場においては、市場原理に任せたほうが需給バランスの歪みは補正される可能性が高いと私は考える。







