「自分でやったほうが早い」。そう思って、自分ひとりで仕事を抱え込みすぎることはないだろうか。人に任せると、説明する手間もかかるし、フォローもしなければならない。しかし、自分ひとりだけでがんばると、かえってうまくいかなくなることもある。話題の新刊『仕事・人間関係で損する人、得する人』(伊庭正康著)をもとに、「仕事がうまくいくコツ」についてライター・柴田賢三氏に寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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後輩に仕事を任せられなかった
会社勤めをしていた頃、後輩とのチームワークに悩んだことがある。
小さな会社だったので、一つのプロジェクトを、せいぜい2~3人で担当していたが、思うような成果が上がらず、後輩に厳しい態度を取ることが増えていった。
次第に「自分でやったほうが早い」と考えるようになり、後輩たちには簡単な雑用ばかりを押しつけ、ほぼスタンドプレーに走ったのだ。
ところが、自分ひとりで仕事をやっていたときより成果が上がらず、後輩たちからも煙たがられた。
ある日、ひとりの後輩女性が、私の同僚に愚痴をもらしていることが耳に入った。
「柴田さんは、私たちを信用していない。最初から能力が低いと決め込んでいて、ついていけません」
「自分ひとりでがんばる」とチームは弱くなる
リクルートグループで営業部長や社内ベンチャーの代表取締役を務め、独立後、研修会社を立ち上げた伊庭正康氏の著書『仕事・人間関係で損する人、得する人』の中に、こんな一文がある。
逆に言えば、「自分ひとりでがんばる」姿勢は、チームを弱くする。
自分ひとりで全部やることで、他のメンバーが成長する機会を奪っているとも言えるわけです。」
――『仕事・人間関係で損する人、得する人』より
仕事を任せることで、相手も自分も成長する
同僚からも、「後輩たちが成長できない」と指摘された私は猛省し、仕事の核となる部分を後輩たちに任せることにした。
最初は後輩たちもミスを繰り返し、そのたびに私が軌道修正していたが、彼らは一つひとつの失敗を乗り越えた。
愚痴を言っていた後輩女性は、目覚ましい成長を見せ、あっという間に私と同じチームリーダーの立場にまで上がってきた。
彼女は、次々と大きなプロジェクトを任され、会社の期待以上の働きを見せ、数年後には大手企業にヘッドハンティングされていったのだ。
この後輩女性とは、いまだに数年に一度は酒を飲む関係だが、酔いが回ると毎回、同じことを言われ続けている。
「最初の頃の柴田さんを反面教師にしたんですよ」
耳の痛い話だが、今となっては納得だ。
自分ができるからといって、仕事をひとりで背負い込んではいけない。
仕事を人に任せることで、相手も自分も、大きく成長していけるのだ。








