「つらい出来事を、いつまでも引きずってしまう」。そんな経験は誰にでもあるだろう。別れや失敗、思い通りにならなかった結果など、人生には自分の力では避けられない痛みがある。しかし、同じ出来事を経験しても、長く苦しみ続ける人と、少しずつ前を向ける人がいる。その違いは、痛みの大きさだけにあるわけではない。では、避けられない出来事によって、必要以上に苦しまないためにはどうすればいいのだろうか。『人生は気づかぬうちにすぎるから。「自分第一」で生きるための時間術』から、そのヒントを紹介する。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
Photo: Adobe Stock
「つらい出来事」が起きたときどうするか?
「どうして自分だけ、こんな目に遭うのだろう」
「なんとか元に戻したい」
「納得できるまで、気持ちを整理しなければならない」
つらい出来事が起きたとき、そう考えてしまうのは自然なことだ。
私たちは痛みそのものだけでなく、「こんなことが起きるべきではなかった」「受け入れられるはずがない」と、その現実に抵抗することで、さらに心を消耗させてしまう。
もちろん、つらい出来事をすぐに忘れたり、無理に前向きになったりする必要はない。
悲しいときは悲しんでいいし、悔しいときは悔しがっていい。
ただ、すでに起きたことや、他人の気持ち、過去の選択まで、自分の力で変えようとし続けるのは苦しい。
人生をラクにするうえで大切なのは、変えられない現実と、これから自分で選べる行動を分けて考えることだ。
痛みは避けられないことを認識する
そのヒントになるのが、次の考え方である。
つまり「どんな人生でも、ある程度の痛みは避けられない。しかし、苦しみは、この避けられない痛みに抵抗しようとすることで初めて生じる」ということだ。
大切なことなので、もう一度繰り返そう。これまでの人生で、傷つき、それに抗おうとしたせいで傷を深めてしまった経験のことを思い出してみてほしい。つらい別れや、得られなかった仕事や昇進など、さまざまなことが当てはまるのではないだろうか。
こうした状況で、あなたは何をコントロールできるだろうか? 外の世界から受ける痛みそのものは、コントロールできない。しかし、抵抗しないこと、つまり苦しまないことは選択できる。
――『人生は気づかぬうちにすぎるから。「自分第一」で生きるための時間術』より
苦しみを減らすとは、つらい現実を「なかったこと」にすることではない。
たとえば、相手の気持ちを変えることはできなくても、自分がこれから誰とどんな時間を過ごすかは選べる。
過去の失敗をやり直すことはできなくても、同じ失敗を繰り返さないための行動は選べる。
「なぜこんなことが起きたのか」と考え続ける代わりに、「この状況で、自分にできることは何か」と問い直してみよう。
痛みを感じることは、弱さではない。
ただし、その痛みに抵抗し続けて、自分の時間まで奪われる必要はない。
変えられないものを手放し、変えられるものに力を使うこと。
それが、余計な苦しみを増やさず、これからの毎日を少しずつ生きやすくしていく考え方である。







