事前に対象者に「PIPが達成できない場合は降格、減給または解雇の処分を受けることを認めます」というような書面にサインをさせる会社もあります。

 実際には業務改善計画というより解雇する手段の一つと見ることができ、このプログラムを受けるよう要請されたら、解雇の前兆と思ってもいいでしょう。

 しかし、どう考えても達成できない目標や課題であれば、それを達成できないという理由での解雇は不当になります。

 また、「挨拶ができない」、「人づきあいが悪い」、「協調性がない」というような抽象的な課題を「業務改善」としつつ、プログラムが終わると、「改善されていない」といって解雇することもあります。

 しかし、そのような理由では解雇できません。

 このようなケースでは解雇の無効性を訴えることが可能です。

 ここで解雇が無効になった有名な判例をあげておきましょう。

 高知放送の宿直のアナウンサーが、2週間のうち2度寝坊して、ニュースの時間に間に合わず、放送ができなくなったことがありました。

 これを理由にアナウンサーは普通解雇になりました。

 これに対して、彼は裁判を起こします。

 そして、最高裁の判決で解雇が無効になったという事案です。

 解雇が無効となった理由は、そのアナウンサーが注意をされて反省を示していたことや、寝坊をした原因がアナウンサーを起こす役の人もいたのに、その人も寝坊をしていたということ、また、このアナウンサーがわざと寝坊したのではないことなどでした。

 この判例は解雇の条件は非常に厳しいことを示すリーディングケースになっています。

 そして、この考え方は現在も生きています。

 解雇されても諦めず、争うことが大事になります。

納得できない解雇では
解雇理由証明書をもらおう

 解雇は30日以上前に解雇予告をしなければなりません。

 もし即日解雇するなら、30日分の給与相当額の解雇予告手当を支払う必要があります。

 解雇予告が設けられているのは労働者が解雇により収入がなくなり、生活できなくなるのを防ぐためです。