役員に上がる人を分ける
「2つの条件」
まず1つ目は、非常に現実的な話です。
経営層との関係性を作れているかどうかです。
そもそも、役員になる人を誰が決めるのでしょうか。
最終的には、今いる経営層が「次の役員候補は誰にするか」を考えます。そうである以上、経営層から顔も名前も知られていない人と、「あの人はいい仕事をしている」と認識されている人では、当然、後者のほうが候補になりやすい。
ですから、経営層との関係がよく、「覚えがいい人」が引き上げられやすいというのは、現実としてあります。
ただし、誤解してはいけません。
私が言っているのは、飲み会で役員に取り入るとか、偉い人にゴマをすれということではありません。
たとえば、自分より2段階ほど上の上司が役員にプレゼンをする機会があったとします。自分が深く関わっている案件なら、「必要であれば私も同席します」と手を挙げてみる。
そこで役員から現場の細かい事情を聞かれたときに、自分がきちんと説明できれば、「実質この仕事をやっているのはこの人なのか」と認識してもらえます。
経営層は常に「現場で何が起きているのか」という意思決定の根拠となるファクトを求めています。
ですから、経営層が現場の声を聞きたい、提案を聞きたいという機会があれば、積極的に手を挙げることです。
もちろん、その前提として、自分に与えられた仕事でしっかり成果を出していなければなりません。「あの人、最近よく名前を聞くよね」と経営層に認識してもらう。
成果を出すことは、それ自体がゴールであるだけでなく、経営層との関係を作るための入り口にもなるのです。
「実務を回す人」から
「未来を構想する人」へ
そしてもう1つ、こちらのほうがより本質的だと私は考えています。
それがビジョン構想力です。
課長の仕事は、どちらかというと実務執行の管理です。
自分の部署に与えられた目標を達成するために、誰に何を任せるのかを考え、部下を動かし、進捗を管理して成果を出す。
ところが、部門長、執行役員、取締役へと上がっていくと、それだけでは足りません。
環境変化を踏まえて未来を見立てて、「これから自社の事業をどうしていくのか」「この会社をどちらへ向かわせるのか」というグランドデザインを描かなければいけなくなるからです。
経営学者ロバート・カッツの「カッツモデル」で言えば、管理職には人を動かすヒューマンスキルが重要ですが、経営層に近づくほどコンセプチュアルスキル、つまり概念化能力の重要性が高くなります。
世の中や顧客がどう変化しているのか。不完全な情報しかない中でも、5年後、10年後を考えて、「会社はこちらへ進むべきだ」と構想する力です。
では、課長の段階でどうやってその力を身につければいいのでしょうか。







