現役時代は「部下に慕われる人気者の上司」としてブイブイ言わせていた人。しかし、定年退職を迎えた途端、元部下や会社から誰一人連絡が来なくなり、寂しい老後を迎えるケースが後を絶ちません。なぜ、あんなに優しく接していたのに忘れ去られてしまうのか。人間の行動原理を正しく理解しなければ、定年後の孤独から逃れられません。この記事では、書籍『リーダーの仮面』をベースに、全ビジネスパーソンに必須の「リーダーシップ」のあり方について指南する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)
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エサを撒く上司の悲劇
50代のベテラン管理職が陥りやすい、最大の自己満足があります。
「部下を定期的に飲みに連れて行き、奢ってやっている」
「悩みを聞いてあげて、厳しい目標を下げてやった」
そうやって部下に媚びを売り、プライベートで仲良くなることで、離職を防ぎ、チームをまとめようとします。
しかし、これは部下の成長にとって何のプラスにもなりません。
部下が付き合っていたのは、あなたという「人間」ではなく、あなたが持っていた「上司という役職(奢ってくれる、目標を甘くしてくれるという利益)」にすぎないからです。
「簡単に達成できるように目標を極端に下げる」
「1週間に一度は食事に連れて行き、悩みを聞く」
「社員旅行をごほうびにする」
このようなマネジメントは、部下の成長において、まったく効果がありません。
辞めそうな部下を飲みに連れて行って、「いいことをした」と思うのは、大きな勘違いであり、自己満足です。
――『リーダーの仮面』より
退職した瞬間に「利益関係」は消滅する
ご褒美や甘やかしで部下を繋ぎ止めていた上司は、定年退職した瞬間にすべてのメッキが剥がれ落ちます。
役職を失い、予算や権限もなくなったあなたには、元部下にとっての「メリット」が存在しなくなるからです。
現役時代、飲み会で「部長、尊敬してます!」とお世辞を言っていた部下たちも、退職した翌日からは一切連絡をしてこなくなります。
ご機嫌取りで築いた人間関係は、砂上の楼閣です。
会社を離れれば、ただの「居場所のない孤独なおじさん」が残るだけです。
「時間差で遅れて効いてくる言葉」を残せ
本当に定年後も感謝され続けるリーダーとは、どんな人でしょうか。
それは、現役時代にベタベタと群れず、プロとしての距離感を保ち、部下を徹底的に「成長」させてくれた厳しい上司です。
「あの人は厳しかったけれど、おかげで一生モノの稼ぐ力が身についた」
そう評価される指導こそが、部下の心に「時間差」で深く効いてきます。
リーダーの仮面をかぶり、手前どもの人気取りを捨てること。
成果と成長だけにフォーカスした背中を見せることが、現役時代の結果を出し、退職後も真のリスペクトを獲得する道なのです。




