前述の研ナオコは、よく知られる本人のキャラクターとはまったく違う人柄を演じていることもあり、誰だか気づかなかった人も多いのではないか。安達祐実についても、この人がこの役を、という驚きがある。

 また、「キムタクの娘」koki.が演じたのは、凜との間に秘密を持つ令嬢役。癖のあるお嬢様役にぴったりとハマっていた。

 裏表のある都知事を演じたのは風間俊介。クライアントの中で唯一の男性だが、近年では政治家が支持率を上げるために整形手術を行うことは半ば公然の秘密となっており、ここで政治家が出てくるのは現実味があった。

 近年、数々の作品で存在感を放つ野呂佳代は平凡な主婦役を演じた。夫から軽んじられ、主体性を奪われそうになっていた彼女は、ある手術を行うことで吹っ切れたような明るい表情に変わる。

 ほとんどのクライアントが人から見える部分を手術によって変えていくが、彼女の場合はそうではない。自分をケアするための一つの方法であったことが手術前の凜のセリフによってもわかる。

美容整形を否定しないあり方

 作品内では、整形依存や手術ミス、費用が高額であることなど、美容整形の負の側面も充分に描かれている。しかし核となるのは、美容整形で救われる人や人生が変わる人がいるという事実である。

 松岡演じる沼田は当初、美容整形に良い印象を持っていない。外見と命であれば、命を救うのが当然だと思っている。

 もちろんそれは医師として真っ当なのだが、凜とそのクライアントたちに出会うことにより、これまでとは違う別の価値観を知っていく。

 ルッキズムが批判される時代であるとはいえ、外見は人の印象を大きく左右する。特に女性は、自分の外見がどのような評価なのかを、世間から思い知らされる機会が多い。

 第1話からのエピソードに登場する田中善子(天野はな)は声優志望だが、オーディションを受けようとするも、その地味な外見に難色を示されてしまう。人気の職業に外見のジャッジはついて回る。

 整形手術を受けることで彼女の人生は変わり、田舎の親に対してはっきりと夢を掴む宣言をする。

 また、70代の末期癌患者・坂下ゆり子(研ナオコ)は、命の危機がある状況の中で全身整形を希望する。死ぬ前に一度くらいは自分のためにお金を使いたいと望むのである。

 人によっては美容整形が夢や希望であり、それは命にもかえがたいことを沼田は知る。常識や善悪だけでは測れないものがそこにある。

 さらに金満主義だと思っていた凜に、それ以上の一面があることも知っていく。