バスキアは1988年に27歳で亡くなっている。作品はもう1点も増えない。しかも美術館に収まった作品はまず市場に出てこない。出回る数は減る一方なのに、欲しい人は世界中で増え続けている。数が減り、欲しい人が増える。値が上がらないほうがおかしい。前澤さんは6年間手元に置いて楽しんだうえに、買った値段の倍近くで売ったのだ。

普通の人も大きな買い物では
「売値」を調べるべきだ

 バスキアどころかフェラーリもロレックスも買えない?

 値段の話ではない。買い方の話だ。あなたが車や時計に奮発するときもリセールバリューという物差しは同じである。

 値上がりを狙えとは言わない。値落ちを減らせば十分だ。同じ数百万円の車でも3年乗って半値以下になるものもあれば、8割の値で売れるものもある。同じ価格帯の車であってもどれを選ぶかで、リセールバリューが100万円単位で変わってくる。

『やってはいけない 絶対損する金の使い方』書影『やってはいけない 絶対損する金の使い方』(堀江貴文、徳間書店)

 時計もバッグも同じだ。定番は値が残り、流行りものは残らない。ロレックスのサブマリーナーは70年、エルメスのバーキンは40年、ほとんど形を変えずに売れ続けている。欲しい人が世代を超えて途切れないから、何年使っても次の買い手がつく。流行りものは流行が去れば欲しい人が消え、値も消える。

 あなたが奮発して大きな買い物をするとき、販売価格だけ見てはダメだ。買うまえに、売る値段を調べておけ。車でも時計でも、中古がいくらで取引されているかは検索すれば5分でわかる。たった5分の手間だ。

 お金持ちと同じものは買えなくても、買い方は真似できる。奮発はしていい。でも売る値段を見ずに買ってはいけない。