AIに「なぜ」を5回繰り返してもらう

 AIを使って理解を深める際に、ぜひやっていただきたいのが「なぜ」を繰り返し問うことです。「反論役」は自分の意見を鍛えるためのもの、「採点役」は成果物の完成度を高めるためのものでしたが、この方法はAIにウィークポイントを指摘してもらい、理解を深めるためのものです。

 人は何かを学ぶと、「わかった」と思った瞬間に思考を止めてしまいがちです。しかし、本当に理解している人は、「なぜそうなるのか」を説明できます。

 東大生は、知識を覚えるだけで終わりません。必ず、その知識の背景や理由まで掘り下げます。そこで役立つのがAIです。

 たとえば、新しい分野を勉強したら、その内容を自分の言葉でAIに説明してみます。そして、「この説明に対して、『なぜ?』を5回繰り返してください」と頼むのです。

 するとAIは、「なぜそう言えるのですか?」「なぜその根拠が成り立つのですか?」と、次々に質問を返してきます。答えているうちに、自分が本当に理解している部分と、「なんとなく知っているだけ」の部分が見えてきます。

自分の理解をチェックしてもらう

 たとえば、経済に関する勉強をして「インフレになると物価が上がります」とAIに説明したとします。

 するとAIは、「なぜ物価が上がるのですか?」と聞き返します。さらに、「なぜ需要が増えると価格が上がるのですか?」「なぜ企業は価格を上げられるのですか?」と掘り下げてきます。

 最初は説明できていると思っていても、3回目、4回目あたりで言葉に詰まることがあります。そこが、自分の理解が止まっている場所だとわかります。

 そのポイントをノートに書き出し、改めて調べてみてください。

 すると、「何が起きるか」だけでなく、「なぜそうなるのか」まで理解できるようになります。知識を覚えただけの状態から、本質を理解した状態へ。AIは、そのための優秀な弱点指摘役になってくれるのです。

 AIに弱点を指摘してもらうと、「わかったつもり」で止まらなくなります。自分では気づかなかった理解の穴が見つかるのです。

 その積み重ねが、知識を本質的な理解へと変えていきます。

【今回の学び】
・発信する前に「最も鋭い反論を3つ」と頼む。すると自分では気づかなかった盲点が見える
・記述式問題の自己採点は、AIに採点基準を渡して任せる。すると改善の方向が見える
・AI に「なぜ」を5 回繰り返してもらう。すると「わかったつもり」から抜け出せる