JALで相次ぐ飲酒トラブル…稲盛和夫が退任時に残した「忠告」がドンピシャすぎたPhoto:JIJI

JALで近年相次ぐ飲酒トラブルを、稲盛和夫氏は存命ならひどく憂いたに違いない。破綻~再上場から10年強たったJALで、なぜ不祥事が繰り返されるのか。稲盛氏の言葉からひも解いていく。【前編】(ライター 前林広樹)

JALパイロット・CA飲酒問題で
社長が不退転の覚悟を決めたワケ

「次に何か起きればそれなりの責任を取るつもりで発言した。そうでないと自分自身として許せないし、世の中も許さないだろう」※1

 JALの鳥取三津子社長は、パイロットや客室乗務員(CA)の飲酒トラブルが相次いだことに関して、6月の株主総会では信頼回復に向け「職を賭して取り組む」と表明した。

 その真意について大手紙の取材で問われると、冒頭のように答えた。辞任の可能性すら示唆したことは、航空業界内外に衝撃を与えている。

 直近では5月、CA2人が規定を超える飲酒を行い、アルコールが検知された。事前検査の未実施や虚偽報告など、隠ぺいを図ろうとしたことも発覚し、出発が大幅遅延。こうした事態を重く見た国土交通省は、JALを厳重注意した。

 振り返れば2018年、CAが機内でシャンパンを飲んでいたことが発覚し、翌年にはパイロット同士の「身代わりアルコール検査」の実態が判明。他にも、機長と副機長の飲酒が原因で3時間以上も遅延し、口裏合わせを図るなどの不祥事が次々と露呈した。

 これらを受けてJALは都度、パイロットやCAの飲酒に関する規程を強化してきた。しかし、失態は繰り返されている。25年8月には飲酒で3便、最大18時間もの遅延が発生。再発防止策を講じても繰り返される違反や隠ぺい工作には、JALファンですら呆れ返っているのが現状だ。

 こうした一連の不祥事を見て、「JAL倒産」の少し前を思い出した人も多いのではないだろうか。