稲盛経営が風化している?
JALは昔に戻りつつあるのか

 ところが……。JAL破綻から10年以上が経過した2020年代になると、「破綻の風化」が指摘されるようになる。若い世代、破綻後に入社した人材が増えたことで、稲盛氏がトップを務めた時代を経験した人材が、社内で相対的に減っている。

「経営がV字回復したことで緊張感がなくなった」「内向きの社風や人事抗争も復活しつつある」といった懸念まで出始めるようになった。

「徹底したフィロソフィ教育が改めて必要ではないか」――。このような声が上がる状況において、飲酒問題が多発している。まさに、稲盛氏の経営哲学が風化しているといっても過言ではないだろう。

 記事後編『「私がコラと、とっちめたりします」稲森和夫が「コンパ」飲み会に熱心だったワケ【JAL飲酒問題】』では、破綻~再上場から10年強たったJALで、なぜ飲酒問題が続出しているのか。そもそも稲盛氏は「酒」についてどんな考えを持っていたのか、ひも解いていく。

※1『JAL鳥取三津子社長、飲酒問題再発なら「責任取る」共同運航には時間』日本経済新聞、9月3日付から引用
※2『稲盛和夫最後の闘い JAL再生にかけた経営者人生』大西康之(日本経済新聞出版社)p190から引用
JALで相次ぐ飲酒トラブル…稲盛和夫が退任時に残した「忠告」がドンピシャすぎたPhoto:PIXTA
(参考文献)
『「JALの不祥事続発」、元社外役員が根本原因を問う 「パイロットの飲酒」など問題はなぜ繰り返される?』東洋経済オンライン、2025年2月5日
『JAL破綻からまもなく10年、「稲盛流」風化にどう抗うか』日経ビジネス、2020年1月8日