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【後編】JALで近年相次ぐ飲酒トラブルを、稲盛和夫氏は存命ならひどく憂いたに違いない。破綻~再上場から10年強たったJALで、なぜ不祥事が繰り返されるのか。稲盛氏の言葉からひも解いていく。(ライター 前林広樹)
JALパイロット・CA飲酒問題で
社長から聞き捨てならない言葉
JALで近年、パイロットや客室乗務員(CA)の「飲酒」トラブルが相次いでいる。鳥取三津子・JAL社長は信頼回復に向けて「不退転の覚悟」で取り組むと表明しており、航空業界内外が注目している。
きっかけは2018年、CAが機内でシャンパンを飲んでいたこと。翌年にはパイロット同士の「身代わりアルコール検査」の実態が判明。他にも、飲酒が原因の遅延、事前検査の未実施や虚偽報告、口裏合わせで隠ぺいを図るなどの不祥事が次々と明るみになっている。
これらを受けてJALは、パイロットやCAの飲酒に関する規程を強化した。しかし再発防止策を講じても繰り返される状況には、JALファンですら呆れ返っている。
2025年9月、JALの機長が滞在先で飲酒を繰り返していた問題を受けた会見で、鳥取社長は「(パイロットが属する)運航本部は専門職の集団。経営陣でも入り込んで意見を言うのが難しい」とこぼした。※1
これは、経営陣とパイロットの間に「溝」があるという、かつてのJALでもかなり問題視された経営課題を想起させる発言ではないだろうか。
2010年にJALが倒産すると、経営再建の旗振り役として招聘されたのが稲盛和夫氏だ。稲盛氏は再建に当たり、労使の中でも強硬派で知られる「機長組合」「乗員組合」のパイロットたちを集めて語り合ったことで知られる。
時に稲盛氏から叱咤され、激論を交えたパイロットたちは、次第に「自分たちにもJALの再建に貢献できることはある」と考えるようになったという。







