「私がコラと、とっちめたりします」稲森和夫が「コンパ」飲み会に熱心だったワケ【JAL飲酒問題】Photo:JAL

JALは稲盛改革の
原点に立ち返るべき

 部下とのコミュニケーションは、「コンパ」と称する飲み会を開催し、結束を高めていたのは有名な話だ。

《会社を経営するうえで、心の通じ合う関係を大切にしてきました。こうした人間関係を築くために、コンパと称する飲み会を京セラでは盛んにやってきました。上司と部下でも、信頼関係があれば、言いたいことをはっきり言えますからね。人との絆を強めるには、お互いを知り合うことがスタートです。あの人は私を知っている、私もあの人を知っている、そういう単純なことが信頼関係の基礎となります。》※3

 酒に酔って羽目を外した人については、このように考えていたようだ。

《中には酔っ払って、酒をこぼすわ、服は汚すわという不埒な奴もいますので、私が「コラ」と、とっちめたりします。後からそのことを思い出して、あの時は、社長から面と向かって叱られた」と誇らしげに言う社員もいますよ。》※3

 なお、コンパはJALでも頻繁に開催していたという。ただし稲盛氏は、単に酒を飲みたかったわけではない。酒席で重視したのは、立場を超えて本音を交わせる人間関係を築くことだった。

 近年のJALの飲酒問題は、単に規程を厳しくするだけでは再発防止の限界が見えてきた。なぜ違反が繰り返されるのか、現場と経営陣が率直に議論できる組織を作れるかが問われているはずだ。

※1『JALの機長飲酒問題、透ける「聖域」経営陣すら意見言えず』日本経済新聞、2025年9月18日
※2『稲盛和夫と焼酎』京セラHP内、稲盛ライブラリー、2021年11月01日
※3『稲盛和夫流「お酒とのつきあい方」』週刊朝日、2013年11月8日号から引用