5日間の休暇をきっかけに
原子炉建屋の模型製作へ
図面を入手し、さらに5日間というまとまった作業期間を得たことで、私は誰に言われるでもなく福島第一原発の原子炉建屋の模型製作を始めていました。私のスキルでも、直線的な形状や平面はなんとか作ることができたのですが、問題は曲面です。
特に建屋の中心にある原子力圧力容器は完全な球体なので自作できず、サイズの合うパーツをどこかから探してこなければなりません。今なら安価な3Dプリンターがありますが、その時代は超高価で現実的ではありません。思いついたのが、以前から東急ハンズのクラフトコーナーに置かれていた、ミニ地球儀用か何かのプラスチック製透明球体でした。
模型を作るにはまず縮尺を決めなくてはならないのですが、鉄道模型や建築模型の人形を使いたかったので縮尺数値の候補はいくつかありました。福島第一原発の圧力容器を仮に1/144スケールにすると、球体部分の直径はおよそ120ミリになります。
早速東急ハンズに行って持参した定規でプラスチック製透明球体の直径を測ってみると、なんと120ミリぴったりでした。信じられません、1ミリも違わないのです。この時は「神様が作れと言っている」と強く感じました。これで鉄道模型のNゲージの作業員フィギュアがそのまま使えます。即購入して、圧力容器のパーツとして採用を決定しました。そんな調子で、必要な部品を1つずつ揃えていったのです。
1/144の原寸図を作り
ミリ単位で原発の構造を再現
ダウンロードした図面を、倍率計算して拡大コピーして、1/144原寸図を作れたことで、その後の作業効率が飛躍的に上がりました。壁や床の厚さもミリ単位で正確に再現していきました。これまでの原発取材の経験や専門家の方々のアドバイスを基に、
「ここは吹き抜けになっているはずだ……」
「この配管にはこういう役目があるからここにつながるのではないか……」
といった理論武装も交えつつ組み立てていきます。







