TBSドラマ『Tシャツが乾くまで』で主演を務めた俳優の蒼井優さんTBSドラマ『Tシャツが乾くまで』で主演を務めた俳優の蒼井優さん Photo:JIJI

最終回を迎えてもなお、SNSで考察や感想が飛び交うドラマ『Tシャツが乾くまで』。回を追うごとに視聴率を伸ばした一方、後半の展開については「面白い」「ついていけない」と賛否が分かれた。突然帰ってきた夫、まさかの「バツ4」、そして誰が訪れたのかわからないラストシーン――。なぜ『Tかわ』はこれほど視聴者を翻弄したのか。作品が最後まで突きつけ続けた「違和感」から考えてみたい。(フリーライター 鎌田和歌)※本稿は最終話までの内容をもとに執筆しています。

ドラマ史に残る「ぶっ飛び展開」と「違和感」

 終わった後に誰かと感想を言い合いたくなるかどうか。それがドラマとしての成功の基準の一つであるとすれば、『Tシャツが乾くまで』は間違いなく成功なのだろう。

 毎回の放送が終わると、SNSでは感想や考察が乱れ飛んだ。リアルタイムで見ることができなかった場合は、ネタバレを避けるためにSNSを開かないという選択をしなければならないほどだった。

 視聴率も回を追うごとに伸び、第3話以降は右肩上がりだったというからすごい。7月10日放送の第1話は世帯6.9%、個人4.0%だったが、9月11日放送の最終回(第10話)では世帯9.3%、個人5.3%まで上昇した。

 見ていた人はご存じだろうが、『Tシャツが乾くまで』、略して『Tかわ』は、後半の展開について賛否両論となった。特に第8話以降は、深く共感できた人と、そうではなかった人とに分かれたように思う。ただ、どちらにとっても目を離せない展開だったことは間違いない。

 バス事故、愛する人の喪失、不倫疑惑など衝撃的な出来事は起こるものの、全体としては派手なストーリー展開ではなく、登場人物の内面に迫ろうとする場面が多い。「地味」とも評されたこのドラマが最後まで視聴者を引きつけて、離さなかった理由は、後半に次々と現れた「違和感」によるところも大きいのではないだろうか。

※以下、最終回までのネタバレが含まれます。