この研究には再現性をめぐる慎重な議論もありますが、複雑で正解のない決断ほど、長時間悩んでも精度が上がりにくいという傾向は、複数の実験で確認されています。
ランチのようなどちらを選んでも人生にあまり大差がない場面では、あえて5秒で決めてみましょう。最初に目に入ったほうを採用すると決めておくのです。長く悩む時間を減らせば、その分だけ脳のリソースは別のことに使えます。
真面目な人ほど、どんな場面でも「ちゃんと考えたい」という気持ちを持つものです。でも思い出してみてください。3日前のランチに何を食べたか覚えていますか?
15分悩んで選んだものでも、5秒で選んだものでも、たいていの場合記憶への残り方は変わりません。悩む時間を短くしたほうが、その日の自分にとってやさしい選択になります。
休んだはずなのに
休めていない昼休憩
昼休みになっても席を立たない人は多いでしょう。デスクでおにぎりをかじりながらメールの続きを読み、残った時間はスマホを眺めて終わる。しかしそんな昼を過ごした日は、午後いちばんの会議で頭が回らなかったり、夕方になると机に向かっているだけで精いっぱいになったりします。
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フィンランドのタンペレ大学のシアノヤらは、昼休みの過ごし方を変えると午後にどのような影響があるのか調べました。
参加者を2つのグループに分け、51名は昼休みに15分間近くの公園を歩き、46名は15分間体の力を抜くリラクゼーションの体操をしてもらいました。これを連続する10営業日のあいだ続けてもらい、介入の前後を含む5週間にわたって午後の集中や疲れの具合をたずねました。どちらもふだんの昼休みの過ごし方をほんの少し変えただけです。
すると、公園を歩いた日は午後の集中が高まり、疲労が減っていました。しかも効き目となっていたのは、散歩そのものの運動量というより、「昼休みが楽しかった」という気持ちのほうです。リラクゼーション組では、仕事のことが頭から離れた感覚が集中の高まりにつながり、緊張感と疲労はそのまま軽くなっていました。歩いても、ゆるめても、方法は別でも午後の時間が楽になることが分かったのです。







