写真:時事、朝日新聞社/時事通信フォト
10月14日、サイゼリヤは通常店舗においてメニュー全般を平均約6%値上げすると発表した。上場以来初となる本格的な価格改定の要因として、同社は原価上昇や食材の不足を挙げている。しかし、財務データやこれまでの経緯をひもとくと、経営のミスによって想定外の事態に直面していたことが浮かび上がってきた。連載『外食バトルロイヤル』の本稿では、サイゼリヤの値上げの深層に迫る。(ダイヤモンド編集部 大日結貴)
安さが売りのサイゼリヤが
上場来初の平均6%値上げ
サイゼリヤは10月29日より、通常店舗においてメニュー全般を平均約6%値上げする。同社の主力商品「ミラノ風ドリア」は、税込み300円から320円へと改定。2020年の端数調整を除けば「本格的な価格改定は(1999年の)上場以来初」(潮田淳史執行役員総務本部長兼財務部長)となる。
サイゼリヤは、低価格の維持を経営の最重要方針に据えてきた。松谷秀治社長は決算説明会においても、「値上げで喜ぶお客さまはいらっしゃいません」と、低改定へのこだわりを話している。
決算説明会で値上げを発表する松谷社長(左)と潮田執行役員 Photo by Yuiki Okusa
それでも値上げしなければならなかった要因について、同社は発表リリースの中で「食材の不足や原価上昇を吸収できない事態が発生」したためとしている。
値上げ自体が悪手なわけではない。むしろ同社は、競合他社が値上げに踏み切る中でも、徹底した効率化で価格維持を貫いてきた。大和証券の津田和徳チーフアナリストは値上げしたことについて「業績面、株価影響の双方でポジティブに評価している」と話す。
一方で、今回の値上げをひもとくと、サイゼリヤの想定外の事態と、“経営のミス”ともいえる誤算が浮かび上がってきた。「値上げはしない」を旗印に、外食業界の勝ち組と称されてまで成長してきたサイゼリヤで何が起こっていたのか。次ページで詳しく解説する。







