ところが実際にジャムを買ったのは、24種類のときはわずか3%なのに対し、6種類のときは30%という大きな差が出ました。割合にしておよそ10倍の差です。つまり、選択肢を増やしたことで結果的に売上は10分の1にまで落ち込んでしまったのです。
選びきれずに固まってしまう感覚は、意志が弱いからでも決断力がないからでもありません。脳が「これ以上は処理できない」と悲鳴を上げているサインです。
選択肢は多いほどいい…は間違い?(写真はイメージです) Photo:PIXTA
さらに、ようやく決めて買って帰ったとしても、選択肢が多かったほうが「もっといいのがあったのでは」と後悔しやすいことも報告されています。選択肢の多さは、満足度すら下げてしまうのです。
裁判官の判断すらも
「時間帯」で結果が変わる?
大事なことは朝いちばんに済ませたほうがうまくいく。経験的にそう感じている人は多いと思います。これは気のせいではなく、脳が朝ほどよく働き、時間とともに消耗していく性質を持っているからです。
イスラエルのネゲヴ・ベン=グリオン大学のダンジガーらは、仮釈放委員会の判断1112件を分析しました。経験豊かな裁判官たちが受刑者の仮釈放を認めるかどうかを審査するデータです。
すると、認可される確率は時間帯によって変わっていたのです。午前の最初の時間に審査された人は、約65%の確率で好意的な判断が下されました。ところが時間が進み、休憩前の最後の時間になると、認可率はほぼ0%にまで落ち込みます。そして食事休憩が入って審査が再開されると、認可率は再び約65%へと跳ね上がりました。
この研究には「事件の並び順が考慮されていない」という反論もあります。ただし、夕方になると判断が雑になる、夜の買い物で余計なものを買ってしまうという感覚は多くの研究で繰り返し報告されています。
ですので、転職、引っ越し、子どもの進路といった大切な決断はできるだけ午前中の早い時間にするようにしてみてください。夕方や夜は、脳の回復のために時間を使う。判断力には一日の中で旬があると知っておくだけで、無駄な後悔を減らすことができます。







