現代は既存のビジネススキルがにわかに陳腐化し、すぐに新たなスキル習得を求められる大激変期です。学び直しがブームとなる中、独学する力はもはや必須スキルになったといえます。特集『仕事に効く!独学バイブル』では『知的戦闘力を高める 独学の技法』『新・独学術 外資系コンサルの世界で磨き抜いた合理的方法』という2冊の独学本を紹介します。#8は現代文の学び直しによる“できるビジネスパーソン”へのアップデート術です。仕事にも効く!独学するビジネスパーソンにとってのバイブルになること請け合いです。(ダイヤモンド編集部編集長 山口圭介)

外資系コンサルでも通用する論理力は「現代文の学び直し」で身に着く!鍵は思考法

「論理力」は現代文を
学び直すことで身に付けられる

 2004年に記者になって以降、これまで優に数千の人を取材してきました。私たちメディアの取材対象になるのは、企業の社長をはじめ外に向けてメッセージを発する立場の人が多くいますが、話し上手が多いかといえば、決してそうではありません。

 こちらの質問意図をくみ取って分かりやすく話してくれる人と、自身が言いたいことの羅列になりがちな人とに分かれてしまう印象です。両者を分かつのは、「論理力」の差だと思います。この能力はビジネスの現場で大きな武器となります。

 実はこの論理力、現代文を学び直すことで身に付けることができます。

「よく現代文は『センスがあれば解ける』と言われますが、これは間違いです」と指摘するのは、マッキンゼーなどを渡り歩き、ビジネスの最前線で活躍してきた侍留啓介氏。

 侍留氏は自著『新・独学術 外資系コンサルの世界で磨き抜いた合理的方法』において、「現代文とは文章の意図や著者の思考を客観的に理解するための科目。つまり、現代文の問題を解くために必要なものはセンスではなく『論理力』です」と強調しています。

「現代文の参考書をうまく使うことで、ビジネスで役立つ論理的に考える力を磨くことができます」と侍留氏。

 侍留氏によれば、ビジネスの現場では二つの思考が求められます。問題を深掘りする「Why(なぜ)」の思考と、具体例から結論を導き出す「So what(だから何?)」の思考です。

「現代文の設問もビジネスと同様、「Why」「So what」という二大質問で成り立っています」。それ故、「現代文の問題を解く力というのは、ビジネスシーンで求められるWhyとSo whatのスキルと酷似しているのです」(侍留氏)。

『新・独学術 外資系コンサルの世界で磨き抜いた合理的方法』の第3章では、トヨタ自動車のケースなどを挙げながら二つの思考を解説します。現代文を学び直すことで、あなたも“できるビジネスパーソン”へと自らをアップデートしてみましょう。

『新・独学術 外資系コンサルの世界で磨き抜いた合理的方法』の第3章はこちら

外資系コンサルでも通用する論理力は「現代文の学び直し」で身に着く!鍵は思考法

はじめに/第1章 高いレベルで働くための「独学の技法」

第2章 最重要の「教養」を効率的に取り込む

第3章 最強の知的武器「論理力」を鍛える

第4章 必要な「英語力」を最速で手に入れる

第5章 独学の効果を 「最大化」する