毎日忙しく過ごしているのに、ふと「自分は本当に大切なことに時間を使えているのだろうか」と感じることはないだろうか。仕事の連絡やSNSの通知、次々と飛び込んでくるニュース。目の前の出来事に対応しているうちに、本来やりたかったことが後回しになってしまう。実は、人生で本当に大切なことを見失っている人には、ある共通した行動が見られるかもしれない。その背景を考えるヒントになるのが、人間の脳が持つ情報処理の仕組みだ。その仕組みを『すべて本能のせい』から解説する。(ダイヤモンド社書籍編集局)

マグカップを持つ女性Photo: Adobe Stock

毎日忙しいのに、大切なことが後回しになっていないか?

仕事のメールを確認していたら、次々と新しい連絡が届き、気づけば午前中が終わっていた。
少し休憩するつもりでSNSを開いたら、さまざまな投稿が気になり、思っていた以上に時間が経っていた。

そんな経験はないだろうか。

目の前にある仕事や情報に対応しているうちに、本来やろうと思っていたことが後回しになってしまう。
毎日忙しく、やるべきことをこなしているはずなのに、なぜか自分にとって大切なことに時間を使えていない。

もしそんな状態が続いているとしたら、普段、何を優先しているのかを振り返ってみる必要があるかもしれない。

私たちは、目の前にあるものや、強く注意を引くものを、つい優先してしまうことがある。
しかし、目立つものが、必ずしも自分にとって重要なものとは限らない。

なぜ、人間は目立つ情報に注意を奪われてしまうのだろうか。
その背景には、脳が限られたエネルギーを使って情報を処理するための仕組みがある。

脳は「目立つもの」を優先的に処理する

『すべて本能のせい』では下記のように解説されている。

人間の脳が使えるエネルギーには限りがあります。
そのため、身の回りの無数の情報から「重要そうなもの」を選び出さなければいけません。
そのときに用いられる指標の一つが「刺激の目立ちやすさ」です。
視覚的に明るいもの、動きのあるもの、音の大きいもの、あるいは感情を強くかき立てるもの。
これらは、脳内のサリエンスネットワークに強く働きかけます。
特に脳内のレーダーともいえる「前帯状皮質」や「島皮質」などが連動し、優先的に処理される仕組みになっているのです。