スーツケース置き場を3カ所増設
それでも荷物スペースが足りない事情

 この他、近年の観光需要の高まりに伴い、スーツケースなどの大きな荷物を持った旅客が増加していることから、デッキの荷物置き場を6箇所(3・5・7・9・13・15号車)から3箇所(3・7・15号車)増設し、合計9カ所とする。客室内の荷棚も、中間車は荷棚の奥行きを拡大することで容積比で約5%拡大、先頭車は荷棚高さを拡大して約25%拡大する。

 新幹線の荷棚は航空機の機内持ち込みサイズのスーツケースであれば余裕で収納できる。だが、頭上に大型の荷物を置くことに抵抗があるのか、十分に活用されていない印象がある。航空機は「ハットラック」と呼ばれる扉付きの棚だが、鉄道は開放式だ。保安上の問題から扉を付けるのは難しいが、航空機と同様に使えるという周知が必要だろう。

 もうひとつは、足元に荷物を置きたいというニーズへの対応だ。グリーン車のフットレストを足元固定式から跳ね上げ式に変更し、あわせてリクライニング角度を最大123度から116度に変更することで、足元スペースをN700S比で約140mm拡大する。なお、普通車もリクライニング角度の変更を検討している。

 荷物置き場のさらなる増設を求める声も多いが、現行の座席数とシートピッチの維持を前提とすれば、これ以上の拡大は困難だ。もちろんJR東海が現状を是としているわけではない。だが「のぞみ」を最大毎時12本化しても、なお輸送力が不足気味の現状では、座席を減らす選択肢は取れない。あの手この手の荷物スペース拡大は、そんなジレンマを如実に表していると言えるだろう。

 もうひとつ気になるニュースが、S0系導入とあわせて発表された「のぞみ」の指定席特急券とグリーン料金の値上げだ。前者は東京~新大阪間で700円の値上げとなり、2027年7月1日分から実施。後者は同区間で3000円の大幅値上げで2027年12月15日分から実施される。

 昨今のインフレへの対応や、前述のグリーン車サービス改善を反映した値上げが、どのような仕組みで行われるのかについては、稿を改めて取り上げたい。