写真はイメージです Photo:PIXTA
「家事も育児も私ばかり」「こっちは外で働いているのに」。夫婦喧嘩では、双方が「自分ばかり負担を押しつけられている」と感じることがある。家庭でそれぞれの役割を担う夫婦が、なぜ互いを「加害者」だと思ってしまうのか。その心理をひもとく。※本稿は、心理学者の榎本博明『被害者意識が強すぎる人たち』(祥伝社)の一部を抜粋・編集したものです。
夫婦がお互いに
「被害者」になるとき
共働き夫婦が多くなっていることと、家庭内役割分担における男女平等の意識が広く共有されるようになっていることが複雑に絡み合い、また夫婦間の認識の違いにより、双方が被害者意識を抱くといったことが起こっている。
子育てに関する研修会の場で、子育てそのものについての悩みだけでなく、夫婦間の役割分担についての悩みを口にする人もいる。幼児2人を育てているある専業主婦が、子育てに追われて窒息しそうな思いをつぎのように語る。
「私は器用なほうではないので、気分転換がうまくできなくて……子どもって自分勝手じゃないですか。こっちの都合とか考えてくれずにいろんな要求をしてくるし、ほんとにしつこいから、下の子だけでもイライラするのに、上の子が幼稚園から帰ってくると、もう2人に振り回されて、イライラしっぱなしで、窒息しそうな感じで、『もう、イヤだー!』って叫びたくなります。
だから、夫が帰ってきたら子どもの世話を交替してほしいのに、夫は、『こっちだって昼間は取引先にペコペコして気をつかったり、上司に理不尽に叱られても口ごたえせずに謝ったり、非常識な部下が客を怒らせたときは自分が悪くないのに代わりに謝罪したり、大量の書類の処理やメールの対応をしたりで、もうグッタリなんだ』と言って、まったく取り合ってくれません。
会社の仕事が大変なのはわかりますけど、こっちだっていっぱいいっぱいなんです。それを全然わかってくれない夫に家政婦みたいにこき使われてるみたいで、ほんとに腹が立ちます」







