イタリアとイギリスの間では、すでに積極的な動きが見られる。最近では、エアバス関係者が英防衛企業BAEシステムズを訪問し、GCAP参加の意向を伝える予定だと報じられた。

 防衛費の財源確保に苦慮するイギリスのアンディ・バーナム首相も、ドイツの資金負担が適切なものであれば、参加に前向きな姿勢を示しているという。イタリア側でも、GCAPに参加する防衛大手企業レオナルドのロレンツォ・マリアーニCEOが、ドイツの参加に好意的な姿勢を示している(ただし、参加国を決めるのはあくまで日英伊3カ国政府で自身に最終決定権はないと強調)。

 イタリアのメローニ首相も「ドイツの参加に前向き」と現地紙は報じた。とにもかくにも、日本側の対応が注目されている状況だ。

GCAP参加を模索するドイツ
日本の説得が最大の壁に

 メルツ首相は、ドイツが参加しても戦闘機の開発が予定どおりに進むことを日本側に納得してもらうため、相当な説得を行う必要があるだろう。

 GCAPではすでに、資金負担の割合や各国の産業協力の枠組みが定められている。共同事業会社エッジウィング(Edgewing)には、3カ国の企業がそれぞれ33.3%ずつ出資している。

 日本にとって、とりわけ重要なのは開発スケジュールだ。日本のF-2戦闘機は2035年ごろから退役が始まる。一方、中国による軍事的圧力は強まっている。中国はステルス戦闘機J-20を大量に運用しているとされ、ロシアや北朝鮮との緊張も続いている。

高市×メルツ日独首脳の初会談で「戦闘機」が焦点になりそうなワケF-2A/B 防衛省航空自衛隊HPより 

 後継機となるF-3が予定どおりに導入できなければ、日本の防空体制に空白が生じる恐れがある。