夜の私たちの脳はなにをするにもエネルギーが切れている

 そして、ここからが重要だが、この「聖域」を守るからこそ、それ以外の時間に集中力が生まれるのだ。「自分はすでに2時間、十分に休んだ(もしくは休める予定がある)。だから、ここからの30分は頑張ろう」というように心のメリハリが出る。

 パートナーや子どもがいるなど、さまざまな役割がある人こそ、この意識的な時間配分が効果を発揮する。「自分だけの時間」が担保されているという安心感が、ほかのタスクへの意欲を高めてくれるのだ。もちろん、試験直前や納期直前の忙しいときはそうもいかないだろう。ただ自己研鑽とは長期で取り組むものだ。長期的に2時間を確保できていればいいと割り切ろう。

 また、「頑張る時間」というものも考えようだ。仕事から家に帰るともうなにもできないという場合。日中の仕事と生活でたくさんの判断を下し、神経をすり減らしたあなたの脳は、夜には意思決定のエネルギーが枯渇した状態にある。なにをするにしても、日中よりも大変に感じるだろう。

 この状態で、さらに「勉強する」などという新たな決断を自分に課すのは、ガソリンがほぼ空の車で走ろうとするようなものだ。だから、なにか新しいことを頑張るなら朝だ。これは鉄則と言っていい。

 自己管理とは、自分を厳しく律することではない。自分の脳のクセを理解し、それを上手に手懐ける技術だ。まずは「2時間の聖域」を意識することからはじめてみてほしい。その計画的な休息と切り替えが、あなたの心を守り、同時に成長への道も長期で照らしてくれるはずだ。