習近平2026年11月2日、中国・北京の人民大会堂で、オマーン国王との署名式に出席する習近平国家主席 Photo:EPA=JIJI

2025年11月の高市早苗首相の台湾有事答弁以来、日中関係は冷え込んでいる。そんな中、11月18~19日に中国・深センでAPEC首脳会議が開かれる。中国が主催するこの国際会議で、高市首相と習近平国家主席の会談は実現するのか。9月28日、中国の王毅・共産党中央外事工作委員会弁公室主任は岩屋毅前外相に「3つの要求」を突きつけた。しかし、中国情勢に詳しい王氏によると、そこには重要なものが欠落しているという。その問題とは何か。(中国政治研究者 王 彦麟)

日中関係が冷え込む中
首脳会談の実現は試金石

 11月18~19日に中国・深センで開かれるAPEC首脳会議に、高市早苗首相が出席する方向で調整が進んでいる。10月27日、茂木敏充外相は参議院外交防衛委員会で、二国間会談も検討中だと説明した。ただし、習近平国家主席との会談が実現するかどうかは、まだ明らかになっていない。

 日中関係が冷え込むなか、首脳会談の実現は関係改善の試金石とみられている。しかし、仮に高市首相と習主席が握手したとして、それは日中関係の改善を意味するのだろうか。

 この問題を考える手がかりが、9月末の中国側の発言にある。

 9月28日、王毅・中国共産党中央外事工作委員会弁公室主任は、訪中した岩屋毅前外相に、2027年の国交正常化55周年を見据え、日中関係は再び「正常化」する必要があると述べた。さらに日本に「合格答卷(答案)」、つまり合格に値する答案を提出するよう求めた。

 翌29日、中国外交部の郭嘉昆報道官も、1972年の日中共同声明をめぐる質問に答え、高市首相の「台湾有事」答弁と日本の「再軍事化」を批判した。

 二日間の発表を重ねると、一つの疑問が浮かぶ。