独立したいと思いながら、なかなか決断できない人が多いのが現実。しかし、「起業ノート」を活用すれば、自分の背中を押すことができる。起業コンサルタントとして、数々の起業家を育ててきた上野光夫氏に、その秘訣をうかがった。

自分の尻に火をつけなければ、起業は永遠に実現しない

 最近は「いつか起業したい」と考えている人が増えているように感じますが、実際に起業に踏み切る人はごくわずかです。毎月給料が入るサラリーマンを辞めて、自分で稼がなければならない立場になることに不安が大きいからでしょう。

 なんとなく「いつか起業したい」と思うだけでは、ハッキリいって起業は永遠に実現しません。ずっと「給料をもらう立場の人」のままで時が過ぎ去ってしまい、気づいたときには起業への気力がなくなってしまったということになりかねません。70歳以上の高齢者に聞くと、人生でやったことに対する後悔とやらなかったことに関する後悔を比較すれば、圧倒的に後者のほうが大きいといいます。

 しかし、おそらくこの記事を読んでいるあなたは、「なんとか起業を実現したい」と思っている方だと思います。起業が人生の大きな夢の1つであると思うなら、その夢を夢で終わらせて、歳をとってから後悔することだけは避けるべきです。

 起業のように、大きくてハードルが高い夢を実現させるのにもっともいい方法は、「自分で自分の尻に火をつける」ことです。ここでは、自分の尻に火をつけて、「なにがなんでも起業を実現させたい」と強い意欲を湧き上がらせるためのヒントをお伝えします。

 自分の尻に火をつけるには、次の3つの考え方があります。

(1)収入の面を考える
 企業に勤めるサラリーマンの給料の平均額は、ここ10年以上下がり続けています。たとえ今後上昇することがあっても、一般的なサラリーマンの給料はさほど大きい金額を期待することはできないでしょう。しかし、起業して事業が拡大すれば、起業家自身が大きな収入を得られる可能性があります。