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宝珠山卓志 モバイルフロンティアを駆け抜けろ!

モバイル広告大賞に見る日本のクリエーティビティ

宝珠山卓志 [株式会社D2C 代表取締役社長]
【第5回】 2013年9月6日
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 日本では、インターネット広告推進協議会(JIAA)が、2003年から「東京インタラクティブ・アド・アワード(TIAA)」を開催しており、モバイル部門も設けられている(2012年は休止)。

 そうした中で、手前味噌になって恐縮ではあるが、D2Cが主催する「モバイル広告大賞」は、2002年に開設して、今年で12回目となる広告賞で、モバイル広告のアワードとしては世界初の老舗だと自負している。

 モバイル広告やモバイルマーケティングのこれまでの変遷、進化の過程を検証するのには、「モバイル広告大賞」の過去の受賞作品を振り返るとわかりやすい。

 少し説明させていただくと、対象となるモバイルはスマートフォンとフィーチャーフォンなど(通話とインターネットの両機能を備えたデジタルデバイス)。キャンペーンやマーケティング・コミュニケーションの事例、およびモバイル広告枠上に掲載された広告クリエーティブやキャンペーン用サイト、キャンペーンアプリのクリエーティブが対象となっている。

 部門は、年を追うごとに、マーケティング戦略におけるモバイルの活用範囲が広がるにつれて数を増し、マーケティング部門とクリエーティブ部門に大別され、マーケティング部門はイフェクティブネス、ブランディング、イノベーション、キャンペーン。クリエーティブ部門はアド、アプリケーション、ウェブサイトに分かれる。

 では、その受賞作品を例に、簡単にこれまでモバイル広告がどのように進化・変遷してきたか、今回はクリエーティブ部門の今と昔を比べてみよう。

日清食品「カップヌードル」のパネル広告
(以下、モバイル広告大賞受賞作品画像は同資料より転載)
明治「キシリッシュ」のパネル広告パナソニックのアプリ「The World Face Games」

 2002年の第1回開催時は、まだモノクロ液晶画面が主流で、バナー広告に使用できる容量も500バイトと小さく、受賞作品はドットで描かれたモノクロのバナー広告だけだった。翌年、ようやくカラーのバナー広告の受賞作品が登場。映画のキャラクターをあしらったクリエーティブなどが受賞した。

 これが2007年になると、日清食品の「カップヌードル」や明治製菓(当時、現在は明治)の「キシリッシュ」など、CMで使用されているキャラクターを用いた作品が受賞するようになった。また、モバイルサイトでもCMキャラクターを登場させ、CM動画がモバイルサイトに配信されるようにもなった。

スマートフォン上で進化した
クリエーティブ表現の行きつく先

 そんなふうにフィーチャーフォン上で進化してきたクリエーティブの表現力であるが、当然、スマートフォン上では画期的な進化を遂げる。

 まずは昨年のモバイル広告大賞でベストアプリケーションに輝いた作品。パナソニックの「The World Face Games」。これは、Facebookと連動して、「顔面競技大会」という画期的な設定でランキングを競うというゲームアプリ。

 FaceTimeカメラを使い、顔の一部などを使って画面上の選手をコントロールするというものだ。たとえば瞬きによって画面上の100m走が競われる。口パクのスピードで走り幅跳びの助走スピードがコントロールされる。また高速タップによって与えられたパワーで競うハンマー投げが用意されていた。それぞれ競技結果は世界ランキングに登録でき、Facebookで世界中のユーザーとシェアできるというものだった。

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宝珠山卓志
[株式会社D2C 代表取締役社長]

1972年2月9日生まれ・東京育ち・妻と子供一人・趣味はシャンパーニュ。
1995年早稲田大学社会科学部卒業後、電通入社。マーケティング局配属後、第7営業局NTTドコモ担当。2000年D2Cへ出向。営業部長、営業推進部長を経て、2004年取締役COOに就任。2010年代表取締役に就任。現在に至る。

宝珠山卓志 モバイルフロンティアを駆け抜けろ!

モバイルマーケティングの第一人者が、業界動向や日々の話題にふれつつ、日本あるいは日本企業が持っている力の再検証と、それらを踏まえたグローバル市場における日本企業のポテンシャルを前向きに検証していく。

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